投資

値下がり限度を設定、為替ヘッジ…… 先行き不透明ないまは「 リスク限定型」投信で運用

「為替ヘッジ」で為替相場の変動を排除

 為替ヘッジ型の投資信託もリスクを低減できる。株安でマイナス金利の続く国内資産で運用するよりも、海外資産で運用したほうが期待は持てそうだが、問題は為替相場の変動。

 購入したときよりも円安になれば、為替差益が得られるが、逆に円高になれば為替差損が発生する。運用益よりも為替差損が上回ってしまうことも少なくない。
 
 ドル・円相場はこの1年で1ドル=125円から100円へ20%も円高になっている。これを打ち消すだけの運用益を稼ぎ出すのは至難の業だろう。
 
 実際、海外債券型で約3300億円の純資産を持つ日興アセットマネジメントの「高金利先進国債券オープン(毎月分配型)月桂樹」は、騰落率が過去6カ月で△18.01%、1年で△12.95%(8月5日現在)となっている。

 運用報告書でも基準価額の「主な下落要因は円高によるもの」と分析している。

 そこで、為替変動による影響を排除し、本来の運用益のみを得られるようにしたのが為替ヘッジ型の投資信託だ。外国株式や外国債券に投資する投資信託には、同じ商品で「為替ヘッジあり」と「為替ヘッジなし」が用意されているものも多い。

 野村アセットマネジメントの「野村インデックスファンド・新興国債券」もその一つだ。「為替ヘッジあり」と「為替ヘッジなし」の騰落率を比較してみると、下図のようになる。

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 為替ヘッジなしの場合、過去3年まではマイナスになっているのに対し、為替ヘッジありは、すべての期間でプラスになっている。

 この差が為替相場の影響と考えることができる。為替ヘッジ型の投資信託は、円安のメリットを享受できない代わりに、円高のデメリットも受けにくい商品といえる。

 大きな値動きを望まず、安定的な利益を狙いたい場合に向いているといえるだろう。

 ただ、注意が必要な面もある。

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