秋山博康 刑事バカ一代

元徳島県警・リーゼント刑事 人質立て籠り現場で九死に一生の体験

「リーゼント刑事」こと秋山博康氏

「リーゼント刑事」こと秋山博康氏

 だがその時、台所のシンクの上から明かりが漏れてきて、そこに小窓があることに気づいたんや。

 咄嗟に窓の格子を蹴破り、間一髪で火の海から逃げることができたが、あと1分遅かったら確実に死んどった。窓から這い出る際、折れた格子がワシのハーフコートに引っかかった時は、ホンマに生きた心地がせんかったで(苦笑)。

 人質立て籠もり事件は全国的に数年に1度しか起きないが、ワシは立て続けに2度も遭遇した。まぁ、それだけ警察官が危険と隣り合わせということや。刑事だけでなく、交番のお巡りさんが急襲される事件も珍しくない。

 おかげで今もワシは現役時代のクセが抜けず、電車に乗る時も「ここで通り魔が現われたら、乗客をどう助けるか」などと考えてしまう。同じような元刑事も多いかもしれんな。ほなっ、また!

【プロフィール】
秋山博康(あきやま・ひろやす)/1960年7月、徳島県生まれ。1979年、徳島県警察採用。交番勤務、機動隊を経て刑事畑を歩む。県警本部長賞、警視総監賞ほか受賞多数。退職後は犯罪コメンテーターとして活動。YouTube「リーゼント刑事・秋山博康チャンネル」が話題。

※週刊ポスト2021年11月19・26日号


【連載第1回~】リーゼント刑事こと秋山博康氏の連載「刑事バカ一代」の記事一覧

関連キーワード

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。