秋山博康 刑事バカ一代

伝説のリーゼント刑事 右翼やヤクザに間違われた現役時代の思い出

刑事なのに犯人と間違われたことも…(イラスト/友利琢也)

刑事なのに犯人と間違われたことも…(イラスト/友利琢也)

 徳島県警を退職後は犯罪コメンテーターとして活躍する「リーゼント刑事」こと秋山博康氏の連載「刑事バカ一代」。秋山氏がリーゼントへのこだわりや、現役刑事だったときのリーゼントにまつわる思い出について綴った。

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 おはようさん! リーゼント刑事こと秋山博康です。

 ワシは今年3月、42年間勤めた徳島県警を定年退職し、上京した元警察官です。現在は市民の防犯意識を高めるため、「犯罪コメンテーター」としてテレビ出演や講演活動を続けとります。

 警察では主に刑事畑を歩み、ヤクザや暴走族を向こうに殺人や強盗、誘拐など凶悪事件の解決に奔走しました。20年前に徳島市内で起きた「父子連続殺人・放火事件」では専従捜査班を率い、「おい、小池!」のポスターを作るなど、世に知られる事件も担当しました。

 まあ、生々しい事件の話は追々していくことになるやろうと思いますが、私の顔がぼちぼち知られるようになったのは、捜査一課時代にテレビの警察特番で「伝説のリーゼント刑事」として登場したことがきっかけです。

 トレードマークのリーゼントはテレビの演出だと思われたかもしれんが、ワシにとってこの髪型はポリシーであり、生き様そのもの。だから「公務員らしくない」と上司から目をつけられても、新米警官時代からこのヘアスタイルを貫いてきたんですわ。

 しかし振り返れば、リーゼントに剃り込みのコワモテがアダになり“捕まる側”と間違えられることも多かった。悪人を取り締まるのがワシの任務なのに……。

 長崎の佐世保で原子力空母反対デモの応援警備をした時は、全国から右翼車両が集結。機動隊員だったワシが佐世保行きフェリーで小便していると、たまたま隣り合った右翼の構成員が、「どちらの右翼部隊ですか?」と真剣に聞いてきたから、「ワシは警察じゃ、アホ!」と怒鳴ってやりました(笑)。

 事件の聞き込みで民家を回ると、ワシの顔を見た小学生の子供が“ウェーン”と泣き出し、署に容疑者を連行した時は、ワシを凶悪犯と勘違いしたブンヤ(新聞記者)に写真をバシャバシャ撮られる始末。防犯のため街で不良少年に声がけしていたら「ヤクザが若者に因縁をつけている」と住民に通報されたこともあったのう。

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