中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

「やっぱり直接会ったほうがいい…」“脱リモートワーク”に踏み切る人たちの思い

今になってリモートワークがやりづらいと感じるようになった人たちも(イメージ)

今になってリモートワークがやりづらいと感じるようになった人たちも(イメージ)

 新型コロナ騒動が始まって以降、在宅でもオフィス同様に仕事ができるリモートワーク(テレワーク)という働き方が一気に普及した。そうした中で最近は、リモートワークから出社勤務に戻す企業も出てきているようだ。働く人たちにとってリモートワークは、通勤がない分、負担が少なくラクになった面も大きいだろうが、中には「やっぱりこの働き方ではやりづらい」と考える人も出てきている。そうした人たちの考え方はどう変化してきているのか。現在「ほぼテレワーク」で仕事を続けている、ネットニュース編集者・中川淳一郎氏がリポートする。

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 私自身は、東京の会社から依頼される仕事がほとんどなのですが、現在は佐賀県唐津市に在住しています。月に1回、番組生放送出演のために東京に行っていますが、それ以外はほぼ唐津にいます。そんな感じで、私は現在「半隠居」的立場の個人プレイのライター・編集者という立場のため、時間・場所に囚われずに、リモートで仕事ができる環境が続いています。しかし、私のようなケースはレアケースで、世の中の多くの方はそうではないでしょう。

 そうした中で、当初リモートワークのメリットを説いていた人々の中にも、「転向」し始めた人が増えてきた印象です。つまり、リモートワークで仕事を済ますよりも、やっぱり以前のように、実際に仕事相手と会った方が圧倒的に良いという判断をし始めた、ということです。

 1人目は、フリーのコピーライター・Aさん(男性)です。彼は、売れっ子ではあるものの、リタイアするまでずっと同じ仕事を続けられるとは思っておらず、常に「僕なんていつ仕事がなくなるか分からないから、今、必死に働いている」と言うほどの慎重派。

 そんなAさんは、コロナ騒動当初は「リモートでラクだ」などと言っていたのですが、その後は「やっぱり仕事をするうえでは、実際に会って話をするのが大事」と言うようになりました。大きな理由としては、彼に仕事を発注する人々が、元々、人と会うことを重視している人たちだった、という点があります。

 クライアント的立場にいる人が対面での会議を要求する場合、フリーの身としてはそもそも断り辛い。そのうえで、Aさんは次のように話してくれました。

「僕のような仕事をしていると、対面の会議が終わった後の雑談から、『ところでさぁ、あと10分もらえる?』などと言われ、そこで別の仕事につながる話になることも多いんですよ。それが本当に自分にとって大きな仕事になったこともあります。さらに、現場でスタッフ全員でワイワイやっている方が面白いアイディアが出るのは間違いない。リモートだとこうは行きませんよね。だから僕は最近、リモートはキツいと考えるようになりました」

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