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ソニーがEV市場に本格参入 目指すは「移動空間をエンタメ空間に進化」

昨年12月、トヨタは一挙に16車種のEVを公開した(時事通信フォト)

昨年12月、トヨタは一挙に16車種のEVを公開した(時事通信フォト)

 いわば自動車の「家電」化だが、米アップル社もスマホ同様にそうした戦略でEV参入を目指していると見られており、ソニーカーのライバルは「アップルカー」になるかもしれない。経済ジャーナリストの片山修氏もこう語る。

「どの日本企業もGAFAには勝てないと言われるなか、世界でGAFAに匹敵する実績をあげてきたのはソニーしかありません。今でもソニーのブランド力はケタ違いに強く、ソニーがEVを作るというニュースは世界を駆け回った。だから日本でアップルに勝てるとしたらソニーブランドしかない」

 しかも、トヨタとソニーのEVは競合しない。

「トヨタが作るEVは自動車メーカーらしいEVですが、ソニーが作るであろうEVは一種の“家電”なのです。市場が違うから競合しない。ソニーの吉田社長も『モビリティを再定義するクリエーティブ・エンターテインメント・カンパニーになる』と語っている。だから、これから出てくるアップルカーに対抗できるソニーのEV参入は、日本の産業の未来にとっても考える以上に大きな意味を持ちます」(片山氏)

 世界的企業が鎬を削るEV市場を、トヨタとソニーのタイプの違うEVが席巻していく。国内での競争力が高まることによって、日産やホンダといった他の自動車メーカー、多くの関連企業の底上げにも繋がっていく。

 そうなれば、間違いなく日本の経済成長、産業復活の牽引車となり、再び「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と謳われる日が近づいてくる。

※週刊ポスト2022年1月28日号

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