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大学受験で第一志望に不合格だった人たち 絶望の淵からどうやって前を向いたのか

現実を受け止めて学生生活を充実させるための心構えとは(イメージ)

現実を受け止めて学生生活を充実させるための心構えとは(イメージ)

 大学受験シーズン。多くの受験生たちが第一志望合格に向けて懸命に努力を重ねてきただろうが、すべての人の努力が「第一志望合格」というかたちで報われるとは限らない。不合格という結果に涙を飲み、第二志望や滑り止めの大学に進むことになる人たちも少なくない。彼ら/彼女たちは、その現実をどう受け止めて学生生活を送り、人生の糧にしていけばよいのか。過去に憧れ続けていた第一志望合格が叶わなかったという人たちに、話を聞いた。

最初は浪人した意味を見出せなかった

 広告代理店に勤務する30代男性・Aさんは、地方の県立高校出身。大学受験で1年間浪人し、第一志望である難関私立大学の文系全学部を乱れ打ち受験したにもかかわらず、すべて不合格に終わった。

「その大学への憧れから、キャンパスに度々足を運んで創設者の銅像を拝むほどでした。どうしても受かりたくて、1年間浪人したし、しかも全学部受けたのに、結局一浪しても現役時に受かっていた大学にしか合格できず……。浪人した意味を見出せず苦しみました」(Aさん)

 失意に暮れながらも、併願校の一つだった有名私立大学に入学したAさん。最初の数か月は「世界がモノクロだった」というが、次第に色を取り戻し始めることになる。

「サークルのイベントの一環で、スポーツイベント観戦がありました。最初はあまり自分の大学を応援する気になれませんでしたが、選手たちの奮闘と会場の熱気に圧倒されて、いつしか母校を大声で応援し、試合後には校歌を歌っていました。その一件から、自分の大学にあらためて興味を持ちOB・OGを調べると、社長にまで出世したり、起業した人もいる。驚いたのは総理大臣も輩出していたこと。『ここで腐ってはいけない』と自らを鼓舞し、サークル、ゼミ、インターン、就活に全力で取り組みました」(Aさん)

 その甲斐あってか、自分が当初行きたかった大学の友人も入社が叶わなかった、有名企業への就職が決まった。現在は起業を目指し奮闘中だというAさんが、学生生活を送るうえでの心構えについて、こう語る。

「大学はあくまで“通過点”でしかありません。第一志望でも第二志望の大学でも、良い人生を送れるかはどうかはその人次第だと思います。学生時代は自暴自棄にならず、何か夢中になれるものを見つけることが大切。私自身、自分らしさとともに自分の強みも見つかり、自分を肯定できるようになりました」(Aさん)

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