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大学受験で第一志望に不合格だった人たち 絶望の淵からどうやって前を向いたのか

憧れの第一志望に合格できる人はひと握り。コロナ禍で中止されている東京大学の合格発表の学内掲示(2019年。時事通信フォト)

憧れの第一志望に合格できる人はひと握り。コロナ禍で中止されている東京大学の合格発表の学内掲示(2019年。時事通信フォト)

大学は第一志望と縁がなかったけど就職先は第一志望

 公務員の20代男性・Bさんは、1年間浪人するも第一志望の国立大学に落ち、有名私立大学に入学した。第一志望にこだわったのは、当時、好きだった女性が目指していた大学だったからだ。

「高校時代、塾の同級生で仲が良くて好きな女の子がいました。彼女は頭が良くて国立大学志望。同じ大学に行きたくて、現役時はもちろん1年間浪人して猛勉強しましたが、不合格でした。一方彼女は現役で大学に入学し、学生生活を謳歌。どんどん取り残されていくようで、暗澹とした気持ちになりました」(Bさん)

 大学入学後、未練がましく第一志望だった大学のキャンパスに行くこともあったというBさん。Bさんは「内心、彼女に会えるのではないかという期待もあった」と当時を振り返るが、そこで新たな決意が生まれることになった。

「その日、ゲリラ豪雨に見舞われて、自分の通う大学ではないキャンパスでずぶ濡れになった時、『俺は何をしているんだろう……』と涙が出ていました。それからなんとかしてこのマイナスの気持ちを上書きしなければならない、と考えました」(Bさん)

 Bさんが決意したのは公務員試験の受験。新たな目標ができたことで学生生活を前向きに過ごせるようになったBさん。見事、試験に合格し、大学受験では叶わなかった第一志望の就職先に進んだ今、思うことがあるという。

「学生時代、『○○大学に合格していたら、あったかもしれない未来』に思いを馳せ、人生がうまくいかないのは、今の大学のせいだと思っていた時期がありました。大学のせいではなく自分のせいなのに……。行動しなければ将来は何も変わりません。

 第一志望に受からず、忸怩たる思いを持ち続ける気持ちは痛いくらいわかります。それがハングリー精神につながるならいいですが、『自分はこんなところに通うはずじゃなかった』と今の居場所を否定するようなら、その大学にも失礼。自分の現在地を受け入れ、入学させてもらえた大学で、生活を充実させることが重要だと思います。たいていの人にとって大学時代は、一生に一度しかありませんから」(Bさん)

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