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産地偽装の背後に紛らわしい食品ルール 「中国生まれでも国産」になるワケ

こんなものまで!産地偽装が発覚した食品

こんなものまで!産地偽装が発覚した食品

国産と国内製造、国産牛と和牛の違い

 食品表示法に基づく国の基準では、輸入した生鮮食品には「原産国名」を、国内産の食品には「都道府県名」などを表示するよう規定している。ところが、2か所以上で飼育や栽培をした場合は、生育期間が長い場所を原産地として表示するという、通称「長いところルール」が適用される。そのため、本来ならば外国産の食品が「国産」として表示されることがあるのだ。

「長いところルール」以外にも、食品には紛らわしいルールが多い。東京大学大学院農学生命科学研究科教授の鈴木宣弘さんが解説する。

「『国産』と『国内製造』は別物です。『国産』は、原材料が肉や魚、野菜などの生鮮食品である場合に表示され、その産地が国内であることを意味します。一方、『国内製造』は、しょうゆや小麦粉などの加工食品(中間加工原材料)が、国内で作られたことを意味します。アメリカ産の大豆でしょうゆが造られても、造った場所が日本なら『国内製造』となります。この2つは消費者の勘違いが起こりやすく、『国産』と誤認して買う人が少なくない」

 また、「国産牛」と「和牛」もまったく別物だ。

「『和牛』とは、食肉専用の牛の品種名であり、厳格な基準が設けられています。『国産牛』は、日本で作られた肉全体を指す。外国生まれの牛でも、日本に輸入されてからの肥育期間の方が長ければ『国産牛』と表示できます。ホルスタインを輸入して、牛乳を搾ってから、最終的に『国産牛』として販売されるケースもよくあります」(鈴木さん)

 しいたけの場合は、中国で植菌し、日本で収穫すれば「国産」になるのだ。

※女性セブン2022年3月24日号

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