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帰国か、第3国に滞在か…ロシアで事業展開する日本企業、それぞれの有事対応

ロシアではプーチンへ批判の声を上げる人も(写真/共同通信社)

ロシアではプーチンへ批判の声を上げる人も(写真/共同通信社)

「ドバイで業務継続」

 国外退避を図る駐在員の障壁が「航空券」だ。コロナ禍で減便や欠航が続く日本航空(JAL)や全日空(ANA)のロシア直行便はウクライナ侵攻を機に停止され、ロシアの航空会社による日本への直行便も3月5日を最後に運行をやめた。ロシアと欧州各国を結ぶ航空便も停止されたため、日本に帰国するには中東などを経由するしかない。

 こうした状況下で、日本企業各社は社員の退避ルートをどう確保しているのか。あるメーカーの広報部が匿名を条件に実状を明かした。

「航空券は手が出ないほど高騰しているわけではないが限られたルートしかないため、各社手配に手間取っている。チケットは現地社員ではなく欧州本社などが用意しているケースが多いようです」

 さらに、日本への「帰国」か「第3国に滞在」させるかで頭を悩ませている企業も少なくない。

 ニッポンエクスプレスホールディングス(旧日本通運)は社員全員をアラブ首長国連邦のドバイに退避させ、そこで事業を継続している。

「時差の少ないところで事業を継続し、いつになるかはわかりませんが戻れるようになったらすぐに対応できるように一時退避しています。コロナ禍でも経験済みのリモート体制により、我々は運輸・物流の業務を継続している状況です」(広報部)

 三菱UFJフィナンシャル・グループも同様だ。

「駐在員4人と帯同家族は3月上旬にロシア国外に退避し、リモートで業務を続けています。駐在員が不在となりロシア現地従業員の不安が高まっているので、しっかり対応したい」(広報部)

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