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部活動の顧問が生徒に暴力・暴言… 学校にどう相談すべきか、弁護士が解説

 ところで、学校の設置者は、部活動指導者の任用や配置にあたって、適切な指導を行うために、部活動の教育的意義、安全対策等のほか、生徒の人格を傷つける言動や体罰禁止に関する研修を行うことが求められています。学校の設置者は、公立高校であれば自治体、私立学校であれば学校法人になりますが、ご質問の場合、その高校では充分な研修を行うことを怠っていたのではないかと思います。

 顧問の指導が改められなければ部活動の教育的意義は損なわれますし、大きな事故を起こす可能性もありますから、変更を求めることは理にかなった行為だと思います。顧問が教職員の場合は、校務をつかさどり所属職員を監督する校長が任命することになり、顧問は校長の指導・監督に服する義務があります。そこで、顧問の担当変更を求めるのであれば、校長に要求することになります。

 しかし一方で、教職員ではなく、その運動の指導に定評のある外部の人に顧問を依頼するケースもあります。その場合は校務分担ではなく、契約関係の変更になりますから、誰が顧問委嘱契約をしたかで違ってくるかもしれません。その場合でも、まずは校長や担任の先生に相談するのがよいと思います。

 なお、暴力や暴言が事実であることを説得できないと、顧問から名誉毀損などと反論されかねません。多くの保護者と協力し、写真・動画・録音など客観的証拠を用意して申し出るのがよいでしょう。

※女性セブン2022年4月7・14日号

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