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帰宅直後にピンポン、ゴミ出し監視… お節介すぎる隣人の目に怯える人たち

帰宅してすぐにピンポンしてくる隣人の恐怖(イメージ)

帰宅してすぐにピンポンしてくる隣人の恐怖(イメージ)

 困った人を見ると放っておけない主人公・中越チカラ(松本潤)が、引っ越し先のマンションの住民たちの悩みやトラブルを解決する──ドラマ『となりのチカラ』(テレビ朝日系)は、ご近所づきあいの難しさについて考えさせられる。というのも、ブランコにひとりで乗っている少女に声をかけようかとウロウロしたり、マンションの向かいのカフェから各部屋をのぞき見したり……チカラの介入の仕方はかなり際どい。実生活に置き換えたら、チカラの行動こそ通報されてもおかしくないかもしれない。

 そんなチカラほどでないにしても、春は引っ越しを機に隣人トラブルに巻き込まれやすい季節。逆に隣人トラブルがあるからと引っ越す人もいるだろう。騒音、人間関係、におい……笑い話で終わるものもあるが、なかには凄惨な事件に発展する例もある。過去の事件や実例を参考にしてほしい。

20年の恨みが最悪の結末につながった事件

 最も悲惨な隣人トラブルのひとつといわれるのが、2002年7月4日、栃木県宇都宮市で発生した、宇都宮・猟銃殺傷事件。2階のベランダで布団叩きをしていた主婦を、隣家の男(62才・当時)が散弾銃で射殺したのちに主婦の義理の妹にも発砲して重傷を負わせ、その後自らも散弾銃で自殺したというもの。

 もともとは同じ自動車関係の会社に勤務し、隣同士の分譲住宅を同じ時期に購入し、仲がよいと評判だった両家だったが、事件から約20年前、加害者の男の妻が主婦の家の手紙を勝手に見たことから険悪となった。最初は一方が芝生を張り替えたらもう一方も芝生を張り替えるといったささいな張り合いだったが、男の妻が脳梗塞で右半身不随になってから、石やゴミを投げつけるなど、男から主婦への嫌がらせが悪化。双方が警察に連絡をすることも頻繁で、警察官が臨場することも多々あった。

 なぜ悲惨か──被害にあった主婦は、トラブルが続く20年間に男の勤務先の上司や市民相談課、地方法務局、精神保健相談センター、自治会、交番、地元警察署、県警本部、弁護士、民生委員、新聞社……など、考えうるありとあらゆる場所に相談に行っていたためだ。助けを求めても結果的に助からなかったことに加え、銃規制の厳しい日本で散弾銃が使われた事件は社会に大きな衝撃を与えた。

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