マネーポストWEB「マネーポスト」公式サイト

大前研一 「ビジネス新大陸」の歩き方

ウクライナ戦争で明白になった「経済のボーダレス化」その先に待つ未来は

2022年5月25日 15:00 週刊ポスト

ウクライナの国土荒廃やロシアに対する経済制裁は、これから長期にわたって世界経済に悪影響を及ぼすと予想される(イラスト/井川泰年)
ウクライナの国土荒廃やロシアに対する経済制裁は、これから長期にわたって世界経済に悪影響を及ぼすと予想される(イラスト/井川泰年)

 ロシアによるウクライナ侵攻は未だ決着の糸口が見えず、世界経済にも大きな影響を与えている。果たしてこのウクライナ問題はどう着地するのか、そして世界経済はどうなっていくのか。経営コンサルタントの大前研一氏が、100年前の世界情勢との類似点も振り返りながら考察する。

 * * *
 ロシアのウクライナ侵攻はますます混迷の度を深めている。5月9日の対独戦勝記念日の演説でプーチン大統領は武力行使をウクライナでの「ナチス・ドイツの復活」を阻止するための「やむを得ない、唯一の正しい決断だった」などと正当化したが、「ナチスの復活」は事実ではなく、軍事侵攻の大義名分にはならない。それどころか、プーチン大統領こそが一方的にポーランド侵攻を断行したヒトラーと同様の狂気的な侵略・殺戮を繰り広げている。

 果たして、これからロシアはどうするのか? 戦術核や化学兵器などでウクライナ軍の拠点を壊滅させ、一方的に勝利宣言するかもしれないが、プーチン大統領がいる限りロシアに対する経済制裁は続く。何をもって戦争の勝利・終結とするのか、着地点が全く見えない状況になっている。

世界大戦を招いた100年前の教訓

 明らかなのは、世界経済が今後ますます混乱し、物価高の進行で疲弊していくことだ。第二次世界大戦以降の経済至上主義やボーダレス経済は戦争抑止に意味がなかったことが明らかになったという議論もあるが、それは違う。

 ウクライナ戦争は従来の国民国家の枠組みが崩れて人、モノ、カネ、企業、情報が軽々と国境を飛び越えるボーダレス・ワールドになっていることをプーチン大統領が理解していなかったがゆえに起きたものであり、むしろ、いかに今の世界がボーダレスな「連結経済」になっているかということを改めて明白にした。

 ロシアとウクライナは欧州向けの天然ガスや原油に加え、小麦、トウモロコシ、ヒマワリ油などの輸出量で世界の大きなシェアを占めている。たとえば、小麦はロシアが1位、ウクライナが6位、トウモロコシはロシアが8位、ウクライナが4位だ。トウモロコシは人間の食料のほか家畜の飼料や燃料などにも使われ、輸入量は日本が世界一である。

不動産売却の完全マニュアル
不動産売却の完全マニュアル
【2021年版】不動産一括査定25サイトを徹底比較!
【2021年版】不動産一括査定25サイトを徹底比較!
【無料】すまいValueで大手6社に不動産一括売却査定
【無料】すまいValueで大手6社に不動産一括売却査定

注目記事

【実取引データ】ほったらかしFX自動売買 3か月で1000pips超の利益

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。

SNSでマネーポストWEBをフォロー

  • facebook:フォローする
  • twitter:フォローする

【お知らせ】

2021年4月1日以降の価格表示に関して

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。