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おひとりさま時代「叔父・叔母から甥・姪への相続」でトラブル増加 注意すべき点は?

叔父・叔母が亡くなって、あなたが「法定相続人」になるケース

叔父・叔母が亡くなって、あなたが「法定相続人」になるケース

 相続や終活関係の手続きと言うと、「親子」の問題ととらえがちだ。もちろん、親子で話し合うことは重要だが、実は「親戚」とのトラブルのほうが厄介で、面倒事が増えたり、思わぬ費用負担を強いられたりすることは多い。「叔父叔母の相続手続きオンラインサポートセンター」の代表を務める行政書士・千田大輔氏は言う。

「両親の兄弟姉妹にあたる叔父・叔母(伯父・伯母)からの相続は、親から子への相続に比べて手続きが非常に煩雑ですし、思わぬ親戚間トラブルや想定外の金銭的負担を招くことが少なくありません。近年、そうした悩みの相談が増えています」

 基本的に相続は「夫婦間」「親から子」で発生するイメージがあるが、詳しくは別掲図で整理したように「故人に子や孫がいない」「故人の親、兄弟姉妹が亡くなっている」といった条件が重なると叔父・叔母からの相続が発生する。「生涯独身の“おひとりさま”が増え、『叔父・叔母→甥・姪』の相続は決して珍しくなくなった」(千田氏)という。

 このタイプでトラブルが多いのには理由があり、知っておくべき15のポイントを別掲図に整理した。千田氏が解説する。

「とにかく手続きを進めるための書類集めが大変です。故人の子供がいないことを確定するには、故人が生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本が必要だし、故人の兄弟姉妹を確定するために祖父母の戸籍謄本まで確認が必要です。調べる範囲がものすごく広くなってしまうのです」

 そうした戸籍関係の書類が揃っていないと、叔父・叔母の財産の確認もままならない。

「銀行から故人の口座の預金残高証明を取るにも、甥や姪が相続人であることをいちいち証明しなくてはならず、叔父・叔母や祖父母の戸籍一式が必要になります。さらに困難なのが、借金など“マイナスの財産”の調査。親子間ですら確認が難しい問題ですから、手探り状態になる。

 叔父・叔母の遺産を相続し、後から借金が判明した場合、甥や姪が返済の義務を負います。遺産の全体像が見えない場合、リスクを避けるために相続放棄するほうが賢明という考え方もある。相続放棄の申述期限は自分が相続人であることを知って3か月以内と短いので、注意が必要です」(千田氏)

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