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【第7回】1億6000万円の納税指令! 「ちょっとだけ、まけてもらえませんか?」 | 突然マルサがやってきた!

■視線が痛い! 引っ越し業者も頼めず、自社トラックでヒルズから退去

 質素な生活ぶりもアピールするようにしました。

 以前からブログで日常のアレコレを紹介していましたが、ヒルズでの豪遊ぶりを披露する内容を一変、実家で母ちゃん手作りのメシを食う様子や、1円単位で節約する様子、まじめに仕事に励む姿などをガンガン公開していきました。

 そして、国税局の担当者さんには、

「よかったらブログ見てください!」

と、熱烈アピール。

 住民票も、埼玉の実家に移すことにしました。さすがにヒルズの家賃80万円の部屋に住んでいる人間に、税金をまけてやろうなんてだれも思わないでしょうから。

 でも、この決断を下すまでにはかなり迷いました。実はまだ羽振りがよかったころに家賃を半年分以上前払いしていて、途中で退去しても返金してもらえないことがわかったからです。

 もったいないので支払い済みの期限までは住み続けたかったんですが、住んでいるだけで贅沢してると思われては困るので、泣く泣く引っ越しを決めました。

 そのころには本当に引っ越し業者を頼む金もなかったので、自社トラックを横付けして、大汗かきながらエレベーターを往復して自分で荷物運び。

 ダンボールも自分で買うと1箱100円以上するので、近くのレストランがゴミ置き場に置いていったダンボールを拝借。すれ違う現役ヒルズ族の皆さんの視線が痛いこと、この上ありませんでした。

 そして、ダメ押しのつもりで、なけなしの金で国税局出身の税理士さんを雇い、修正申告を手伝ってもらいました。

 これまで自分の正確な所得額なんて計算したことがなかったけれど、だんだん数字が明らかになっていくにつれ、やっぱり支払うべき税額は相当な額にのぼることがわかってきました。

「せめて1億円は切ってくれないと……。どうにかお願いします!」

と、税理士さんにも国税局の担当さんにも、口癖のように繰り返していました。

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