投資

だからみんな損をする 株を「安く買って高く売る」ができない投資家心理

3か月前は「100万円でも買いたい」と考えていたのに…

 投資を始めると「この銘柄はもう高くなって買えないな。下がったら買うのに」と思うこともしばしば。しかし、いざ株価が下がって安く買える絶好のチャンスがきても、そういう時に買える人は少ない。

「食料品も洋服も、バーゲンセールの時には買ったほうが得だと多くの人が感じます。しかし、投資の世界はまったく違うのです。3か月前は100万円でも買いだと思ったものが、50万円になったら、なぜか買いたくなくなる。売りたくなる。そういうものなのです。

 暴落時には多くの人がそれまでの利益を吹き飛ばしていたり、含み損を抱えていたりするため、新たに何百万円も株式相場に投資しようという人はほとんどいないからです。

 下がる前を経験しているだけに、株価が高かった時の夢見心地が忘れられない。すると明らかに安くなっていても『リスクのある投資は怖い』と弱気になってしまう。下がりきった局面で買うのは非常に難しいのですが、反対にどんどん株価が上がって高くなっていくと、誰も彼も買いたくなります」

 実際、相場が悪い時より、株高時に証券会社の新規口座開設は増える。マネー誌も日経平均が高い時に売れ、相場が悪い時にはさっぱり売れなくなるという。投資家が合理的に利益を出すべく行動するのであれば、本来は逆の動きになるはずだが……。

「株価が上がっていくと、含み益が出ている投資家が増えていきます。含み益が出ているのは、その時の株価よりも安い時に買っているだけのことで、実際の利益が確定しているわけではないのですが、『計算』上でも儲かっている時には強気で嬉しいものです。周りがみんなそうなると、不思議と自分も買いたくなってしまいます。

 しかし、本当はそんな時こそ絶好の売り場なのかもしれません。安い時に買いたくなくなり、高くなると買いたくなる。高い時に売りたくなくなり、安くなると売りたくなる。株式投資はそういう不思議な世界なのです

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