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大前研一 「ビジネス新大陸」の歩き方

岸田首相肝煎りの「資産所得倍増」&「デジタル田園都市」構想に全く期待できないワケ

2022年7月9日 7:00 週刊ポスト

様々な構想を打ち出しているものの…(イラスト/井川泰年)
様々な構想を打ち出しているものの…(イラスト/井川泰年)

 岸田文雄・首相は自身が提唱する「新しい資本主義」実現のため、様々な政策を打ち出しているが、その効果や実現性に疑問を投げかける声も少なくない。岸田首相が掲げる政策の問題点はどこにあるのか。経営コンサルタントの大前研一氏が解説する。

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 岸田文雄内閣の支持率は物価高などの影響で少し低下しているが、それでも参議院議員選挙では自民党が大勝するだろう。

 となると、岸田首相が衆議院を解散しなければ、2025年秋まで国政選挙がない“黄金の3年”が訪れ、「成長と分配の好循環」を目指す「新しい資本主義」なるものが続くことになる。

 しかし、岸田首相が自民党総裁選の際に公約として掲げた目玉政策の「令和版所得倍増計画」は実現不可能と気づいたらしく早々とお蔵入りし、6月に決定した「骨太の方針(経済財政運営と改革の基本方針)2022」では「資産所得倍増プラン」にすり替わった。個人金融資産2000兆円の半分超が預金・現金で保有されているため、それを「貯蓄から投資」にシフトさせることが目的だという。

 だが、「所得倍増」と「資産所得倍増」は「資産」の2文字が入ることで全く意味が違ってくる。「所得」は給与所得、事業所得、利子所得、株や投資信託の配当所得、不動産(賃貸料)所得などだが、「資産所得」に給与所得や事業所得は含まれない。つまり、預貯金や株、不動産などを持っていない庶民は「資産所得倍増プラン」の蚊帳の外なのだ。「所得倍増」から「資産所得倍増」へのすり替えは、イカサマに等しいのである。

 もう1つの岸田首相肝煎りの目玉政策が「デジタル田園都市国家構想」だ。内閣官房のホームページによると「地方からデジタルの実装を進め、新たな変革の波を起こし、地方と都市の差を縮めていくことで、世界とつながる」のが目的だという。

 そして、この構想を実現するためにボランティアの「デジタル推進委員」を2022年度中に2万人以上確保する方針で、まず青年経済団体や全国にショップを展開する携帯電話事業者を中心に5月30日から募集を開始している。推進委員の役目は、デジタルに不慣れな高齢者らにスマートフォンの基本操作、インターネットやSNSの使い方、マイナンバーカードの申請方法などを教えたり、サポートしたりすることだそうだが、無給で2万人も集まるのか、甚だ疑問である。ファイナンシャルプランナーを騙ってコロナ給付金を詐取しようと考えるような輩が、老人を騙しやすくなると喜ぶだけだろう。

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