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サンマ初競りは「1匹1万円」の異常事態 ニッポンの食卓から「庶民の魚」が消える日

豊洲市場で過去最高値の1キロ当たり12万円を付けた北海道産の生サンマ(時事通信フォト)

豊洲市場で過去最高値の1キロ当たり12万円を付けた北海道産の生サンマ(時事通信フォト)

「日本で人気のノルウェー産サーモンは、近年、アメリカや中国での需要が急増している。日本の買い負けによる品薄だけでなく、ウクライナ情勢の影響を受けた迂回空輸によるコスト増、円安でさらに輸入原価が値上がりしています。今後は、飲食店やスーパーでも価格転嫁せざるを得ず、販売価格も上昇すると考えられます」

 同様に定番ネタのひとつである甘エビを巡る問題も深刻だと小平氏は続ける。

「ロシア産の甘エビやボタンエビも、中国での需要が年々増加し、昨年は年初から年末までに日本への輸入原価が2~3倍に急上昇しました。甘エビなどは回転寿司や居酒屋の定番メニューですが、今後、メニューから消えるかもしれません」

 サンマと同様「庶民の魚」であるサバやアジにも黄信号が灯っている。

「回転寿司などで使われる大型のサバは、ノルウェーからの輸入が多い。サーモンと同様、ウクライナ情勢の影響で空輸が困難になり、価格の上昇が続いています。アジは、特に東シナ海における中国の乱獲で、漁獲量が大幅減少しています」(前出・山田教授)

 日本の食卓が大きく変わるかもしれない。

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