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相続の準備を怠った結果の悲劇「先祖代々の土地が業者に二束三文で買われて…」

相続の準備を先送りにしたことで…(イメージ)

相続の準備を先送りにしたことで…(イメージ)

 どんな人でも、亡くなったときには必ず「相続」が発生する──わかっているのに、そのための準備はおろそかになりがちだ。

 面倒だから、難しいからといって先送りにしたがために、後悔する人は少なくない。埼玉県在住の新山治美さん(64才・仮名)もその1人。

「先祖代々受け継いでいた土地があって、父が亡くなった後は母の名義で管理していました。私は気づくことができませんでしたが、母は認知症が進んでいて……結局その土地は、不動産業者に二束三文で買われてしまったんです」

 新山さんは父が亡くなった当初、自分が成年後見人になって土地を管理することも考えたという。

「当時“もし母が認知症になったら、誰かにだまされて土地を手放してしまうかもしれない”と思いました。でも、電話で話す限り、母の認知機能がそこまで下がっているとは思えず……高齢だからといって、母から財産を取り上げるようなまねはするまいと、後見人になることを先延ばしにしてしまいました。

 ところが、そうこうしている間に業者に丸め込まれたんでしょうね。気づいたときにはもう、母が土地を売った後でした。その後、母は介護施設で帰る家を失ったこともよくわからぬまま亡くなってしまいました。もっと早く手を打っていたら……」

遺産総額が想定と違った

 事前にしっかり準備をしていたつもりでも失敗するケースはある。神奈川県の小田佳代子さん(57才・仮名)は、年老いた父親が亡くなったときに備えて、相続財産を洗い出していた。「3000万円+(600万円×法定相続人の数)」の範囲内なら、相続税はかからないこともわかっていた。

「私は3人きょうだいの真ん中です。母は早くに亡くなっていたので、兄と妹とは“お父さんの遺産には相続税がかからないから、3等分でいいよね”と話し合って、安心していました。ところが、いざ相続となると、土地と車の評価額が、当初の計算よりもずっと高くて……結局、相続税を払わなければならなくなりました」

 土地の評価は素人判断では難しく、あらかじめ専門家に相談していれば、こんなことにはならなかったはずだ。

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