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日本の犯罪検挙率の実態 大阪の犯罪遭遇度が突出して高いのはなぜか

2021年都道府県別「犯罪遭遇度」上位10

2021年都道府県別「犯罪遭遇度」上位10

大阪の犯罪率の高さは“入りやすく見えにくい”がゆえ

 最新の『犯罪統計資料』(警察庁)を都道府県別にランキング化したのが表だ。人口10万人当たりの犯罪発生件数を割り出し、その上位10を記した。これを見ると、2~8位の発生件数が500件台で拮抗しているのに対し、大阪府だけが700件台とダントツだ。これはなぜか?

「犯罪の機会を与えないことによって犯罪を未然に防止しよう、という考え方を犯罪機会論と称し、研究がなされていますが、犯罪が起きやすい場所、警戒すべき場所に関してこんな言葉があります。

『景色を見て、入りやすく見えにくい場所を警戒せよ』

 この言葉がまさに当てはまるのが大阪府なのです。

 落書きや放置自転車が多く、秩序感が薄い街並みが続く大阪は、元来ひったくりが多かった。碁盤の目のようにわかりやすい道路は、土地勘のない犯人も簡単に逃げることができます。逃走経路が京都方面・兵庫方面・和歌山方面と幅広いことも厄介です。

 東京では多摩エリアなどに入ると逃げづらいですし、神奈川・京都・兵庫・埼玉あたりも中心部を外れると案外田舎で目立ってしまう。それに対し、大阪は街に紛れやすいという特徴を有しています」

2021年犯罪タイプ別の増減状況

2021年犯罪タイプ別の増減状況

 昨年の刑法犯の認知総数を罪状タイプ別に整理してみると、凶悪犯の検挙率は96.6%、粗暴犯は87.1%、その一方で、窃盗犯は42.2%、知能犯は52.2%となっている。

「これを見ると、殺人・強盗などの凶悪犯や暴行・傷害などの粗暴犯など、一般市民が恐怖を覚えるような犯罪を優先的に捜査し、高い検挙率を上げていることがわかります。それに対し、もともと発生件数の多い窃盗犯、オレオレ詐欺やインターネット詐欺などの知能犯は実数がつかみにくく、捜査しにくい面があります」

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