ビジネス

日本の犯罪検挙率の実態 大阪の犯罪遭遇度が突出して高いのはなぜか

2021年都道府県別「刑法犯の検挙率」上位10と下位10

2021年都道府県別「刑法犯の検挙率」上位10と下位10

 さらに、都道府県別の検挙率を比較した。80%台で検挙率全国1位の山形県に対し、最下位の大阪府は唯一30%未満だ。

「他人に無関心な都市部より人間関係が濃密な地方の方が捜査しやすく、検挙率が高くなる傾向があります。前述の通り、『入りやすく見えにくい』場所で犯罪発生率が高まりますが、インターネットでの犯罪が多いのも同じ理屈によります。検挙率40位の徳島県で犯罪が増えたのが、本州と四国をつなぐ明石海峡大橋ができて以降というのも注目すべき点でしょう」

 新幹線や高速道路、橋の接続など、交通インフラの整備によって犯罪者の出入りもしやすくなったというわけだ。

【プロフィール】
小宮信夫(こみや・のぶお):犯罪学者、立正大学文学部社会学科教授。日本人として初めて英ケンブリッジ大学大学院犯罪学研究科を修了。著書に『写真でわかる世界の防犯 遺跡・デザイン・まちづくり』(小学館)ほか多数。

取材・文/北武司

※女性セブン2022年9月8日号

関連キーワード

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。