中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

ムダに見えて役に立つ?「職場の飲み会」ばかりやっていた時代とその意義

職場の飲み会は本当にムダなものなのか?

職場の飲み会は本当にムダなものなのか?

 昨今、歓送迎会や忘年会に限らず、職場の飲み会がめっきり減っている。特に若い世代の中には「面倒でムダな飲み会がなくなって良かった」と考える人も増えているようだが、職場の飲み会は本当にムダなものなのか? ネットニュース編集者の中川淳一郎氏は、「職場の飲み会は、共通の話題が多いから盛り上がるし、仕事を発展させるために非常に役に立つ」という。中川氏が自身の経験を振り返り、職場の飲み会の意義について考察する。

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 現在49歳の私は、23歳の時に新卒で広告会社に入社し、27歳で辞めているのですが、会社員時代の4年間は、本当に濃密な時間を過ごしました。仕事もむちゃくちゃやってましたし、飲み会もずいぶんあって、愚痴を言うこともあればガハハハハと楽しむことも。特に25歳から26歳まで所属していた部署は若手中心の部署だったこともあり、週に4回、飲み会に行くほどでした。

 当時の同僚は5人いましたが、今でも全員と仲がいいです。49歳になった今、何らかの悩みがあったりした場合に真っ先に電話をするのはこの5人のうちの誰かでしょう。それだけ「同僚との飲み会」というものは私にとって重要なものだったのです。当時の状況を振り返ってみましょう。

 ある日、後輩のY君が定時の朝9時30分になっても出社していませんでした。まぁ、大体の先輩社員は10時や10時30分に来ていたのですが、Y君は11時まで来ない。ブスっとしたまま席に着き、「あ~あ、彼女にフラれましたよ、クソー」といきなり言いました。

 私とE先輩はすぐに目配せをします。2人の思いは1つ。E先輩は「おい、Y、今から飲みに行くか?」と言います。Y君は「もう飲まなくちゃやってられませんよ、行きましょうよ」と投げやりに言い、我々3人は11時から開いているイタリア料理店でビールをしこたま飲み、Y君の愚痴を聞くのでした。

 もちろん、毎日昼から飲んでいたわけではありませんし、仕事に手を抜くこともなかった。仕事にお酒に、ハードな毎日でしたが、充実していました。若かったのでしょう。こうした思い出が積み重なり、我々は絆を深めていったのでした。

 当然、会社員の宿命として、人事異動があるし転職する人もいるので、ずっと同じメンバーで仕事をできるわけではないのですが、こうした日々の飲み会を通じて培った縁により我々は今でも繋がっています。現在はフリーの編集者である私に、当時の先輩が仕事を紹介してくれたりもします。Y君からも、大きな仕事を紹介してもらったことがありました。

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