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メダル不要のパチスロ「スマスロ」の詳細が明らかに 導入できないホールの淘汰進むか

メダル不要の「スマスロ」は、業界の救世主となるのか、それとも…(写真:イメージマート)

メダル不要の「スマスロ」は、業界の救世主となるのか、それとも…(写真:イメージマート)

 メダルを使用しないパチスロ機“スマートパチスロ”(通称・スマスロ)が、11月21日に全国のホールにて導入される。デビューまで約2か月となったところで、その詳細が明らかになってきた。

 従来のパチスロは、パチスロ機の主に右側に設置しているメダル貸出機にお金を入れて、その「貸出ボタン」を押すと1000円分のメダルが出てきて、そのメダルをパチスロ機に投入して遊技するものだ。

 スマスロでは、物理的なメダルは使用せず、パチスロ機の横に設置されている“専用ユニット”にお金を入れて電子的なメダルを借り、それをスマスロに転送し遊技する。スマスロで獲得したメダルは、「計数ボタン」を押すことで、専用ユニット側に転送。「返却ボタン」を押して、獲得メダルや投入現金のデータが記録されたICカードを取り出し、投入した現金の精算や、獲得メダルの交換を行う。

 メダルを使用しないことで、パチスロ機の筐体にあった「メダル投入口」、メダルを貯めておく部分である「ホッパー」などが必要なくなり、筐体の簡素化が実現。その結果、メダル関連のエラーがなくなるので、店員が対応する機会も減る。また、メダルを直接触ることがないので、遊技していても手が汚れることがなくなるのだ。パチスロ事情に詳しいジャーナリストの藤井夏樹氏はこう話す。

「専用のユニットの仕様も明らかになっているんですが、現在ホールで導入しているICカード方式のメダル貸出機を利用しているユーザーであれば、直感的に使えるものだと思います」

“台確保トラブル”をどう防ぐか

 さまざまなメリットがあるスマスロだが、ここで少々気になるのが、“台の確保”の問題だ。従来のパチスロでは、筐体下部の“下皿”にメダルが置かれていれば、その台は“誰かが遊技中”ということになり、ほかの客は座ってはいけないという暗黙のルールとなっている。スマスロにも下皿はついているが、そこに置くメダルがないので、別の方法で台を確保しなくてはならない。

「パチスロやパチンコ台に、携帯電話やカバンなどの私物を置いて確保するユーザーもいます。しかし、防犯上あまり好ましくない。以前はタバコを置いて確保するユーザーが多かったのですが、今は基本的に禁煙となっているホールが多く、タバコで確保するという人も減っています。

 スマスロでメダルを置いて台確保ができないとなれば、店側が“確保札”のようなものを提供するか、筐体そのものに台を確保していることを明示する機能を加えるなど、私物を置かずに済むような工夫が必要でしょう。台確保をめぐっては、ユーザー同士のトラブルにもなりやすいですし、より安全で明確な形での仕組みが必要になると思います」(藤井氏)

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