藤川里絵「さあ、投資を始めよう!」

24年ぶりの円安局面で注目度アップ 「外貨預金」の仕組みと手数料・税金の注意点

外貨預金の税金は?

 外貨預金については、利息と為替差益について税金がかかります。

【1】利息にかかる税金
 利子所得として、20.315%(所得税及び復興税特別所得税15.315%、住民税5%)の税金がかかります。円預金と同様に、利息は自動的に引かれていますので確定申告は不要です。

【2】為替差益
 引き出すときに、預けたときよりも円安になっていれば、為替差益が発生します。その場合は雑所得として所得税+住民税がかかります。税率は、所得によって変わります。基本的には、確定申告が必要ですが、以下の場合は、所得税の申告が不要となります。

・年収2000万円以下の会社員で、給与所得・退職所得以外の所得(為替差益で得た利益を含む)の合計額が20万円以下の場合
・自営業者やフリーランス、無職などで、年間の所得の合計額が48万円(基礎控除額)以下の場合

外貨預金はしたほうがいい?

 24年ぶりの円安のタイミングで、外貨預金をスタートするのがベストかと聞かれると、正直、イエス!とは言い難いところがあります。ただ、この先さらに円安に進行する可能性もありますので、少しずつ時間分散してスタートしてみる手はあると思います。長期間預けていれば、多少の為替差損は利息で相殺できます。

 ひとつ最後に大事な注意点をお伝えしておきます。外貨預金は、預金保証の対象外です。金融機関が破綻した場合は、預けていたお金が戻ってこない可能性がありますのでご留意ください。

 外貨預金は、円だけで資産を持つリスクを分散するために有効な手段です。あらためて口座開設しなくても、普段使っている銀行で始められるというのも気軽で魅力ですよね。ただ、若干、為替手数料がお高めです。もっと有利に外貨運用をするには、FX(外国為替証拠金取引)という選択肢があります。FXというとなんとなく危険なイメージを持たれがちですが、使い方によっては外貨預金よりも賢くリスクを抑えた運用が可能ですので、次回はFXの基本についてお話ししましょう。

《今回のまとめ》
・通貨を分散させるために外貨預金は有効
・為替レートが変わらなくても損をする可能性には注意
・世界一信用度が高い米ドルが人気

【プロフィール】
藤川里絵(ふじかわ・りえ)/個人投資家・株式投資講師・CFPファイナンシャルプランナー。2010年より株式投資をはじめ、主に四季報を使った投資方法で、5年で自己資金を10倍に増やす。普通の人が趣味として楽しめる株式投資を広めるため活動し、DMMオンラインサロン「藤川里絵の楽しい投資生活」(https://lounge.dmm.com/detail/3843/)を主宰。本稿の関連動画がYouTubeにて公開中。

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