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取り壊し間近のサラリーマンの聖地「ニュー新橋ビル」に異変 中国系マッサージ店が続々入居でカオス状態

昨年で開業から50年を迎えた「ニュー新橋ビル」

昨年で開業から50年を迎えた「ニュー新橋ビル」

 JR新橋駅の烏森口を出てすぐ目の前、SL広場に面した場所に「サラリーマンの聖地」と呼ばれるニュー新橋ビルは建っている。このビルは1971年に完成し、昨年で開業から50年を迎えた。11階建てで、地下1階から4階には多種多様な店舗が入居しており、それより上はオフィスフロア。白い立体網目模様のような外壁が特徴的で、新橋のランドマーク的な存在だ。そんな歴史あるビルの中でいま異変が起きている。

 9月下旬、平日の昼下がりにニュー新橋ビルを訪れた。1階部分には金券ショップが軒を連ねており、ほかにも大手紳士服店や飲食店、ドラッグストアなどがあって、多くの人々で賑わっている。しかしエスカレーターで2階に上がると、雰囲気は一変する。

 フロア内には色鮮やかな看板を掲げた店が並んでおり、若い女性たちが店の前に立ち、通りすがる男性に声をかけている。中国系マッサージ店の客引きである。女性に手を引かれて店に入っていく会社員風の男性の姿も見られた。

 2階では少なくとも10店舗以上の中国系マッサージ店が営業している。料金は様々で、30分2000円の足つぼマッサージもあれば、1万円以上のオイルマッサージコースを掲げている店も。健全な店もあるが、なかにはアダルトなサービスを受けられる店もあるようだ。マッサージ店以外にも、風俗店やアダルトグッズ店も入居しており、フロア全体に猥雑な雰囲気が漂い、カオス状態。近隣の居酒屋の従業員に話を聞いた。

「あそこには10年以上前から中国系マッサージ店があったけど、この1~2年で一気に増えました。コロナ禍で客足が減った飲食店などが閉店したり、あるいはニュー新橋ビル自体が近いうちに建て替えで取り壊されることが決まっているので、そのことを機に移転した店もあったと思う。

 そういった事情で多くのテナントが空き、そこにマッサージ店がどんどん入ってきたという感じです。当初の計画では、今頃はもう取り壊しの工事が始まっているはずだったんだけど、スケジュールが遅れていて、いまだに始まる気配はありません。とはいえ、いずれ取り壊しが実施されることは間違いなく、このビルに入居している店舗は全部、近々立ち退くことになる。こんなタイミングで入居してきたマッサージ店は、“立ち退き料”を狙っているのではないか、と訝る人もいます。

 今や中国系マッサージ店が増えて、すっかりアダルトなイメージに様変わりしましたね。まぁ、マッサージに来たついでにお酒を飲んでくれるお客さんもいるので、悪いことばかりではありませんが(苦笑)。たまにお客さんから“どこの店がオススメ?”と聞かれたり、逆に“○○って店は可愛い子がいるよ”などと教えてもらったりすることもあります」

 サラリーマンの聖地は、コロナ禍ですっかり様変わりしてしまったようだ──。

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