藤川里絵「さあ、投資を始めよう!」

外貨預金と何が違う?大損する人がいるのはなぜ?「FXの正しい仕組み」を知っておこう

FXでは「売り」からの取引で利益を出すこともできる

FXでは「売り」からの取引で利益を出すこともできる

 たとえば今のように円が24年ぶりの安値をつけているときにドルを買うのは、もしかしたら高値掴みになってしまうかもしれません。それが怖くて、外貨投資をしたくても躊躇している方も多いことでしょう。それならば逆に、今後ドルが下がると予想して、ドルを売るという選択肢もあるということです。

FXで大損する人がいる理由

 手数料が安くて、外貨が下がるときにも利益を出すチャンスがあるなんて、うまみしかない!と感じるかもしれません。それなのに、FXで大損する人がいる理由は、“レバレッジ”にあります。

 レバレッジは「テコの原理」のことで、自己資金以上のお金を運用できるため、効率よくお金を増やすチャンスとなります。具体的にイメージしてみましょう。自己資金が100万円で、1ドル=100円であれば、通常は1万ドルしか買えません。購入後、1ドル101円にドルが上がって、1万ドルを売却すれば、1万円の利益になります。ここで5倍のレバレッジをかけるとどうなるでしょう? 自己資金は100万円ですが、その5倍の500万円分のドルが買えます。5万ドルですね。購入後、1ドル=101円に上昇し、そこで売却すれば5万円の利益になります。自己資金は同じ100万円で、ドルが1円上がったというのは同じですが、利益は5倍になっています。なんと素敵なしくみでしょう!

 しかし、この話を聞いただけで安易に飛びついてはいけません。効率よく利益が得られるということは、損をするときも効率よく損をしてしまうということです。先ほどの例と同様、100万円の自己資金でレバレッジを5倍かけて、5万ドル買って、その後ドルが1円下がればお金が5万円減ってしまいます。通常の外貨預金、つまりレバレッジをかけていなければ、1万円の損で済みますが、レバレッジをかけているとその分、損失も大きくなってしまうのです。

 日本のFX会社では、レバレッジは最大25倍までと決められていますが、海外のFX会社を使うともっと大きくレバレッジをかけることができます。大きな利益を狙って、レバレッジをめいっぱいかけて、自分が思った方向と逆に為替が動いたときには目も当てられません。場合によっては、借金を負ってしまうことも。FXが危険と言われるのは、レバレッジのかけすぎによって甚大な損失を負うリスクがあるためです。

レバレッジ1倍なら外貨預金と同じ

 レバレッジがかけられるからといって、レバレッジをかけなくてはならないというわけではありません。FX口座に100万円を入金して、100万円以内でドルを買えば、レバレッジは1倍ということになり、これは外貨預金とまったく同じです。ドルを持っている間は、スワップポイントと呼ばれる金利も得られますので、その点でも外貨預金と遜色はありません。外貨預金では、一定の期間外貨預金を続けていなければ金利はもらえませんが、FXのスワップポイントは日割り計算で算出されますので、毎日「ちゃりんちゃりん」とその分が増えていきます。

 そのほかにもいくつか外貨預金より魅力的な点があります。

・24時間いつでも売買ができる
・税率は一律20.315%(所得が高い人は外貨預金より節税できる)
・FX会社が破綻しても信託保全されている(外貨預金は保証されていない)

 新たにFXの口座を開設するのは手間ではありますが、外貨への投資を考えているのであれば、トライする価値はあるのではないでしょうか。次回は、もう少しFXについて深掘りしてみましょう。

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