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中国マーケットの売上比率が高い日本企業ランキング 中国依存度が高いゆえのリスクも顕在化

機密を盗まれることも

 日本企業と中国企業がグローバルに競争するなかで、こんな“事件”に巻き込まれることもある。

「産業スパイによる情報の不当な流出リスクもあります。村田製作所では、2021年8月に中国の再委託先社員による不適切なデータ持ち出しが発覚しました。当該社員は取引先情報やプロジェクト管理データを業務用パソコンに許可なくダウンロードし、中国国内の外部クラウドにアップロードしていました。

 また、東レでは傘下企業が中国に輸出していた同社製炭素繊維の一部が、外為法上の許可を得た輸出先以外の事業者に流出したことが、2020年12月、明らかになりました」

 さらに、中国の政治体制に起因するリスクにさらされるケースもある。

「ファーストリテイリングは、中国政府のウイグル人への人権侵害問題に関し、新疆ウイグル自治区産の綿製品を使っていたとされたことから、世界の投資家からネガティブな評価を下される事態に見舞われた。中国に進出する企業には、このように世界中で不買運動を起こされかねない想定外のリスクもあるのです」

 森岡氏は「米中の経済摩擦、台湾を巡る対立の激化が中国経済の“重し”となることは避けられない」とも指摘する。

「中国との取引は、新たな規制強化に対応を迫られるなどの法的リスクがあるうえ、米中摩擦などの懸念もあります。消費財の輸出・販売企業は依然として進出意欲が高く、一括りにできない面もありますが、今後は複雑化するチャイナリスクを念頭に、事業に占める中国のウェートを相対的に引き下げる企業が増えていくのでは」

 日本の財界には「政治と経済は別」との考えが根強いが、いつまで通用するかは未知数と言わざるを得ない。

※週刊ポスト2022年10月28日号

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