住まい・不動産

憧れの「一人暮らし」は遠のいた… 物価高騰で実家から抜け出せなくなった人たちの憂鬱

「早く一人暮らししたい」と思っていたが…(イメージ)

「早く一人暮らししたい」と思っていたが…(イメージ)

 先行きが見えない物価の高騰が家計を直撃している。食料品や日用品、さらには光熱費など、あらゆるものが高くなり、財布とにらめっこする生活が続く。一人暮らしを検討していた実家暮らしの人たちにとっても、深刻な問題だ。物価高による影響で今後ますます生活費がかさむことを懸念し、一人暮らしスタートに二の足を踏んでいる人もいるようだ。そのリアルな声を集めた。

固定費を抑えるなら誰かと一緒に暮らした方がいい

 30代男性・Aさんは、東京都下の実家に住み、メーカーで派遣社員として働いている。手取り18万円ほどの月収の中から毎月実家に2万円入れたうえで、10万円を定期預金にまわし、一人暮らしするための資金として蓄えていた。しかしここにきて、物価高が懸念材料になっている。

「スーパーに行くと、高嶺の花だった国産品の牛肉の値段が、輸入品と変わらないか、なんなら安い値段で売られている。先日は、トイレットペーパーがまた値上がりするというニュースを見ました。親は親で、『今年の電気代とガス代は去年より1.5倍くらい高い』と嘆いている……。そんな状況だと、いま一人暮らしを始めるのはやめたほうがいいかな、と思うようになってきました。当たり前ですが、固定費を抑えるなら、誰かと一緒に暮らしたほうがいいに決まってますよね」(Aさん)

 今年初めに「今年こそ実家を出るから」と宣言したAさんだったが、現在は完全に弱気モード。そんなAさんの心境を知ってか知らずか、親は“甘い言葉”をかけてきた。

「『今は無理する必要ないんじゃない?』と親に言われました。僕の気持ちを見透かされているようで、その通りだと思います。これまで僕は、なんとなく『実家暮らしはマズい』と社会的な体面を気にしていましたが、最近思うのは、『一人暮らし』をする意味を考えなくてはと。職場が遠いとか、何かそこに意味がない限り、実家暮らしができるなら、続けたほうが金銭的にラクなのは間違いない。もちろん、親に甘える一方ではいけないと思いますが……。生活がきつくなってでも、実家を出るべきなのかどうか、慎重にこれからを考えたいです」(Aさん)

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