また、新発見される遺産を含む趣旨であっても、通常は大した資産は残っていないとの共通の理解のもと、合意するでしょうから、思いがけず巨額の遺産が発見された場合には、合意の前提に錯誤があったことになり、結局は取り消され、やり直しになると思います。
ご質問の場合、特別な合意がなければ、分割協議をすべき。独り占めが判明すると、他の相続人から相続分相当額を請求されるだけでなく、信用は失墜し、親戚付き合いも難しくなるでしょう。
【プロフィール】
竹下正己（たけした・まさみ）／1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。
※週刊ポスト2023年3月10・17日号
