現在、パチンコ・パチスロ業界における大きなトピックとなっているのが「スマート遊技機」だ。スマート遊技機とは、パチンコ玉やメダルを使用しないパチンコ機・パチスロ機のことで、玉やメダルの補給の手間が省けるほか、ユーザーが玉やメダルに触れずに遊技できるため、衛生的上のメリットもある。メダルを使用しない「スマートパチスロ」は昨年秋からホールに導入済みで、玉を使わない「スマートパチンコ」は4月から導入される。
ホール従業員の仕事を減らし、ユーザーにとっても遊びやすいスマート遊技機には、騒音の軽減というメリットがある。玉やメダルが流れる音がなくなるのだ。パチンコ・パチスロ業界に詳しいジャーナリストの藤井夏樹氏はこう話す。
「ホールによって各台への玉やメダルの補給方法は異なりますが、通常、パチンコであれば、各台の裏側でパチンコ玉が流れていて、自動で台に補給されるシステムになっています。パチスロの場合は、自動でメダルが補給されるホールもあれば、従業員が手動で補給するホールもあります。
いずれにせよ、玉やメダルが見えないところでジャラジャラと流れていて、そこから大きな音が聞こえてくるわけです。スマート遊技機では、そういった音がなくなることが、ユーザーにとっても大きなメリットでしょう」
隣の台の「音量」にイライラ
しかし、スマート遊技機に移行しても、台から流れるBGMや効果音の音量に関する問題は残っている。
「今のパチンコ・パチスロは、BGMや効果音での演出が豊富で、そうした点もファンの楽しみのひとつとなっています。ただ、年々演出が派手になっていき、かなり大きな音が台から鳴り響くこともある。“音が大きすぎる”と感じるユーザーも多いのが実情です。隣の台から聞こえてくる音が大きすぎると、ユーザー同士がトラブルになってしまうこともあります」(藤井氏)
隣の台の音が気になって、イライラしてしまうユーザーは少なくないようだ。都内に住むパチンコファン歴5年の会社員・Aさん(30代男性)はこう話す。
「自分が勝っているときはいいんですが、全然当たらずにハマっているときは、隣の台の音が気になってくるもの。隣で熱いリーチがかかったり、確変中のBGMがかかったりすると、大きな音で当たっていることをアピールしているかのように勝手に感じて、イライラしてしまうんですよね。パチンコは楽しいけど、ハマっているときの隣の台の大きな音ほどイヤなものはないです。だから最近は、ノイズキャンセリング機能があるイヤホンをして打つことも多いです」