パチスロ人気機種の復刻版はどこまでユーザーを呼び戻せるか(イメージ)
2020年くらいから盛り上がりを見せている「平成カルチャー」。若い女性の間では平成のギャルファッションが復活し、平成のヒット曲を紹介する音楽番組なども人気だ。その平成リバイバルの流れは、パチスロ業界にも波及している。今年4月に平成の大人気パチスロ機『吉宗』がスマートパチスロ(メダルを使わないパチスロ機)として復活し、かつてのファンを中心に人気を集めているのだ。
初代の『吉宗』は2003年に大都技研から発売された4号機のパチスロ機。ピーク時には全国のホールで26万台が設置されたと言われる大ヒット機種だ。711枚(等価交換で約1万4000円相当)のビッグボーナスが、ボーナス終了後1ゲーム目に即連チャンする機能を備えている、いわゆる“大量獲得機”だ。パチスロ事情に詳しいジャーナリストの藤井夏樹氏がくわしく説明する。
「初代『吉宗』は当時、サミーの『北斗の拳』と人気を二分する大ヒット機種でした。天井(一定のゲーム数で必ずボーナスなどが当たる機能)は1921ゲームで、そこまでまったくボーナスが当たらないようなこともザラにある機種ですが、ビッグボーナスの“1ゲーム連チャン”は強烈で、一撃で数千枚クラスの出玉が得られることも珍しくなかった。射幸性が高く、それゆえにハマるユーザーも多かった機種です」
初代『吉宗』は2006年にはホールから撤去されているが、その後多くのシリーズ機種が登場。そして、今回初代のゲーム性を踏襲するスマスロ版の『吉宗』がホールデビューしたのだ。
「スマスロの『吉宗』は、新要素も追加されていますが、基本的には初代のゲーム性を再現しています。特に711枚のボーナスの連チャンを当時よりも厳しくなっている現在の出玉規制の中で実現できているのは、すごいと思います。ホールでは、初代を打っていた40代後半以上の世代のユーザーがスマスロの『吉宗』を楽しんでいるようです。『吉宗』のシマだけ平均年齢が高いということも珍しくありません」(藤井氏)