投資歴14年で資産2億円超を築いたちょる子さん
2022年11月のリリースからわずか約2か月でユーザー数1億人を突破して話題となったChatGPTをはじめ、生成AIが急速に普及している。これに合わせて半導体市場は空前の活況に沸いている。仕事を持って2人の子供を育てながら、資産2億円超を築いた億り人投資家・ちょる子さんが、半導体相場の今後を踏まえた投資戦略について語ってくれた。
「今年後半に向けて注意が必要」と考える理由
「現在の右肩上がりの半導体相場を強烈に牽引しているのは、間違いなくAI向けの需要です」(以下、「」内コメントはちょる子さん)
米エヌビディア社の時価総額が世界で初めて4兆ドル(約580兆円)を超えるなど、半導体市場には強いフォローの風が吹く。世界半導体統計(WSTS)によると、2024年の半導体市場は前年比約19.7%増に続き、2025年も11.2%増と2年連続で2桁成長を予測し、市場規模は7000億ドルを超えると見込んでいる。中期的にもプラス成長が続いて毎年過去最高を更新し、2030年までに世界の半導体市場が1兆ドルを超えるという予測もある。しかし、ちょる子さんの見方はネガティブで、浮かれることなく冷静に市場の動きに目を凝らす。
「じつは、AI向け以外の分野では、半導体需要の伸び悩みが見られます。例えば、電気自動車(EV)向けパワー半導体や中国新興企業向け半導体需要は、意外なほど伸びていません」
これまで半導体市場は、「シリコンサイクル」と呼ばれる3~4年の周期的変動を繰り返してきた。ちょる子さんは今年後半に向けて、特段の注意が必要だと指摘する。
「2025年夏以降、半導体在庫が過剰になる懸念があります。米中の関税問題の影響で前倒し輸出が行なわれた結果、『需要の先食い』現象が起きるかもしれません。在庫調整が始まれば、市場は一時的に調整局面に入ることも考えられます」
一方、ちょる子さんは2025年10月14日のWindows10サポート終了に伴うパソコン買い替え需要が、特に中国市場で高まると予想している。「短期的には7月頃までは上昇トレンドが期待できる」と見て、自身も東京エレクトロン(東証プライム・8035)株を保有していることを打ち明ける。