ニュージーランド在住の個人投資家・成長株テリーさん(Xのアイコンより)
超高齢化社会の現代、人生の明暗は現役時代ではなく「老後」にこそ分かれる。老後資金を考えるうえでは「投資」も欠かせない要素だ。年齢を重ねてからの資産運用に、どう取り組めばいいのか。いまなお現役で活躍する「シニア億り人」のひとり、ニュージーランド在住の個人投資家・成長株テリーさん(64)に聞いた。
60代以降にはあまりおすすめしない成長株投資
成長株テリーさんは、値上がりを狙う成長株投資で儲けた資金を不動産投資に回すスタイル。現在は約6億円の資産を持ち、年間5000万円ほどの不動産収入を得ている。
来年から自身も年金受給が始まるため、老後の資産運用について考える機会が増えたという。
「夫婦2人の標準的な年金額は月23万円ほどで、それだけで生活するのはなかなか厳しい。しかもこれからインフレ社会になっていくことも考えれば、5年後にはコンビニのおにぎりが1個500円になるかもしれない。物価がどんどん上がっていくなかで生活はますます苦しくなっていくに違いありません」
だからこそ、投資に回して資産を増やすべきと説く。
「預貯金と退職金を合わせて3000万円あるなら、年金を生活費に充てるとして、キャッシュは500万円もあれば十分。残りの2500万円は投資に回してもいいと思います」
もっとも、自ら実践してきた成長株投資については、「成長株はボラティリティ(価格変動)が大きく、40~50%値下がりするリスクもある。売買のタイミングを見極めるのも難しいので、60代以降にはあまりおすすめしない」という。
「シニア向きと言えるのは、日経平均株価などの株価指数に連動するインデックスファンドやETF(上場投資信託)。銘柄選びの手間もかからない。また、商業施設やマンションなど複数の不動産から得られる賃貸収入や売買益を投資家に分配するJ-REIT(不動産投資信託)も分配金利回り5%を超える商品が多いのでおすすめです」