「デイサービスの送迎ドライバー」などのアルバイトも(写真:イメージマート)
定年後の生活を不自由なく送るために重要な「お金」。老後資金を増やせるか、枯渇させてしまうか、ひとつのポイントとなるのが「働き方」だ。ファイナンシャルプランナーの大割克美氏が指摘する。
「定年後も続く人生では働き続けることがひとつの手ですが、何でもいいから仕事をすればいいわけではない。65歳の時点で老後にいくら必要か試算して、それに合った働き方を考えることから始めましょう」
まずは年に1度送付される「ねんきん定期便」を見て65歳からの年金受給額を把握することだ。
「例えば65歳以降に夫婦で年金額が月25万円の場合、毎月の支出が30万円だと月に5万円不足します。最低限その分を埋めるだけ働けばよいのです」(大割氏)
その場合は週3日程度のアルバイトで毎月の支出を埋めることができると大割氏。
「重要なのは体力的な負担は少なく稼ぎは良いアルバイトの職種を知っておくことです。例えばデイサービスの送迎ドライバー。ある程度決まったルートを巡るので複雑な道順を覚える必要はなく、地域によりますが時給1300~1400円前後と割が良い。決まったルートを回って物品を届けるルート配送というアルバイトもあります。これも時給は1500円前後。免許があればできるので敷居も低いです」
マンションの管理人も定年後のアルバイトとしては定番だ。
「仕事内容は館内巡回や清掃、ゴミ出しなど。時給は1400円前後が相場です。1日7時間シフトなどある程度しっかり労働時間が確保されるので、まとまった金額になりやすい」(同前)
体力作りにも繋がるのがチラシのポスティング(投函)である。
「歩合制で首都圏なら1枚3~8円。1日4~5時間の実働で1000枚以上は配れると言われています。時給換算で1500~1800円程度になる。無理は禁物ですが、適度に歩けてお金にもなるので一石二鳥です」
収入、貯蓄、支出から必要なお金を逆算し、負担なく働くことが肝要だ。
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※週刊ポスト2025年10月10日号