中国本土を代表する産金株の金属ごとの収益貢献は(Getty Images)
中国経済に精通する中国株投資の第一人者・田代尚機氏のプレミアム連載「チャイナ・リサーチ」。関連記事《上昇トレンド続く金相場で起きている価格形成の構造変化 非米国同盟国の間で加速する「ドル依存からの脱却」、中国人民銀行は11か月連続で外貨準備として金を購入》を踏まえて、金価格上昇に伴い投資妙味が高まる中国株の個別銘柄について解説する。
中国本土を代表する産金株
金価格の上昇は構造的な要因によるもので、グローバルでドル依存からの脱却が不可逆的に進むとの前提に立てば、今後も金価格は上昇トレンドを維持する可能性が高い。そうであれば、金鉱を所有し、採掘から精錬、販売まで一貫して手掛ける産金株への投資が有望だ。
紫金鉱業集団(02899:香港上場、601899:上海A株)は本土を代表する産金株である。金だけでなく、銅、亜鉛、銀、炭酸リチウムなどの鉱山を内外に所有し、それらを採掘、精錬し、販売している。2024年末時点での“保有が確実であり、信頼性の高い指標”である埋蔵量は、銅が5043万トン、金が1487トン、亜鉛が710万トンで、銅は世界第2位、金は第5位、亜鉛は第2位である。
2025年6月中間期の部門別売上高をみると、銅鉱が16%、銅精錬が16%、金鉱が16%、亜鉛鉱が2%、亜鉛精錬が3%、銀鉱が1%、精錬販売などが70%、その他内部相殺などが24%。分社経営をしている上に、鉱石の中に複数の金属が混じって存在するために、金属ごとの正確な収益貢献を計算するのが難しい。