中モク高新材料の事業内容と業績を徹底解剖(公式サイトより)
中国経済に精通する中国株投資の第一人者・田代尚機氏のプレミアム連載「チャイナ・リサーチ」。関連記事《《圧倒的シェア》中国の外交政策上の「武器」となり得るタングステン価格が上昇中 サーバー需要にくわえ輸出管理政策が影響、長期的に供給メーカーに投資妙味も》を踏まえて、タングステン関連の中国株の個別銘柄について解説する。
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タングステン関連業務を行っている主な中国関連銘柄としては、カザフスタンのタングステン鉱山などで採掘事業を行う佳キン国際資源(03858、香港上場)のほか、自社で鉱山を所有、タングステン、モリブデンや超硬合金、切削工具、新エネルギー自動車、風力発電に使われる磁性体(レアアース製品)、リチウムイオン電池の正極などに使われるコバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウムなどを製造する厦門タングステン業(600549、上海A株)なども挙げられるが、超硬合金の需要増加に焦点を絞り投資を考えるのであれば、中モク高新材料(000657、深センA株)に注目したい。
中モク高新材料は中国の鉱業事業の発展を主導する中央系国策企業である中国五鉱股フェン有限公司の傘下企業であり、兄弟会社には、冶金を中心としたエンジニアリング事業を行う中国冶金科工(01618、香港上場)、銅、亜鉛、鉛など非鉄金属鉱山の開発を行う五鉱資源(01208、香港上場)など、本土、香港に合計8社の上場企業がある(2021年末現在、中国五鉱股フェン有限公司HPより)。
同社の主要業務は、タングステンの精鉱、超高合金の製造、タングステン、モリブデン、ニオブなど非鉄金属の製造、加工など。2025年6月中間期における製品別売上高は、タングステン精鉱、パラタングステン酸アンモニウムが35%、超高合金が23%、超硬切削工具が22%、モリブデン、ニオブなどの金属製品が16%、貿易などが4%。
