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田代尚機のチャイナ・リサーチ
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AI、人型ロボット…次世代技術で日本を大きく引き離す中国の現在地 自然エネルギーの発電コストは大幅ダウン、原子力発電にも積極的で、電力の安定供給が「AI革命」の支援材料に

中国では工場で働く従業員としての人型ロボットの利用が始まっている(山東省・青島市。Getty Images)

中国では工場で働く従業員としての人型ロボットの利用が始まっている(山東省・青島市。Getty Images)

 中国経済に精通する中国株投資の第一人者・田代尚機氏のプレミアム連載「チャイナ・リサーチ」。関連記事《【日中貿易戦争の行方】中国の「日本へのレアアース規制」当面の実施は様子見の見通し 輸出規制の報復合戦となった場合、どちらにダメージが大きいか》を踏まえて、中国の次世代技術への取り組みを紹介しながら、日中でイノベーションの加速に差が出ている理由について、レポートする。

 * * *
 次世代技術について日本は米中に大きく後れを取っている現状がある。電気自動車については、中国本土では既に大衆化、価格競争の時代に入っている。これから各国既存自動車メーカーが生産力を引き上げ、量産効果でコストを引き下げたとしても、中国企業に打ち勝ち、利益を出すのはハードルが高い。中国先行各社の開発の焦点は、スマートカー、自動運転、全個体電池、水素燃料電池、さらには空飛ぶ自動車に移っている。日本にとって自動車は最も国際競争力の高い産業であるだけに、先端分野での出遅れは厳しい。

 自然エネルギーを利用する太陽光、風力発電設備は、中国企業が圧倒的なシェアを誇るが、国内での強烈な過当競争の末、発電コストが大きく低下している。本土メディア(CPEM全国電力設備管理網、2025/10/23)によれば、直近の石炭火力発電のコストは0.42~0.62元/度であるのに対して、風力発電は陸上で0.123~0.253元/度、海上で0.335~0.453元/度、太陽光発電は0.21~0.30元/度である。

 参考として、電力価格に関する国際比較データ(GlobalPetrolPrices.com)も示しておくと、ビジネス向け電力価格(2023~2025年平均)は、日本が0.204米ドル/kWh、米国が0.148米ドル/kWhであるのに対して、中国は0.097米ドル/kWhと安い。中国における新エネルギーの発展状況から判断すれば、直近ではこの差が更に広がっているとみられる。

 自然エネルギーは天候に左右され発電量が安定しないが、それを補うために中国は積極的に安定電源となる原子力発電設備の開発を進めている。現在の稼働ユニット数では米国に次ぐ規模、設備容量では米国、フランスに次ぐ規模まで拡大している。2015年10月23日の本土メディア報道によれば、現在稼働中の原子力発電ユニットは59台、総発電設備容量は6248万kwだが、現在建設許可を得た発電ユニットが53台あり、その総発電設備容量は6293万kwに達する。それらを加えれば中国の原子力発電規模は世界最大となる。安価で有り余る発電能力が存在すること、電力の安定供給に向けた取り組みが進んでいることは、AI革命を進める上で、大きな支援材料となる。

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