長期で成長しそうな株をどう探すか(写真:イメージマート)
昨年来の株高が解散総選挙への期待の高まりからさらに加速。日経平均株価は史上初の5万4000円台を記録するなど、かつてない高値圏が続いている。しかし、カブ知恵代表の藤井英敏氏は「日本株全体を見渡せば、株高はまだ始まったばかり」と言う。
「ここまで日経平均を押し上げてきたのは、アドバンテスト、ソフトバンクグループ、東京エレクトロンというAI関連の“御三家”に加え、ファーストリテイリングという寄与度の高い“四天王”が中心です。それら一握りの値がさ株が株価指数を左右している。相場全体の値動きを示すTOPIX(東証株価指数)も最高値を更新していますが、こちらは金融セクターなど時価総額の大きな大型株が主導しており、中型株以下の銘柄はまだまだ上がっていない割安な水準にあると言えます。
日経平均やTOPXが最高値を更新しているからといって、日本株全体が割高な水準にあるわけではない。一つ一つの銘柄に目を凝らせば、株高はまだ始まっていないと言えるレベルのものも少なくありません」(以下、「」内コメントは藤井氏)
そのうえで日経平均は今後、6万円を大きく超える公算が高いと予想する。
「日経平均はまだまだ上がり、6万4000~5000円もあると見ています。最大の要因はインフレです。30年以上にわたってデフレが続いてきたために、溜まっていたインフレのマグマは大きく膨れ上がっている。インフレ率は3%ほどあるのに、実質賃金は11か月連続のマイナス、日銀が利上げしたといっても0.75%だから実質的には2%くらいのマイナス金利状態で、賃金も金利も上昇するような本格的なインフレはまだまだこれから。
そう考えると、この先も株価をはじめ資産価格の上昇が続いていくのは当然だと思います。加えて、解散総選挙で与党が勝利するようなら、国内政治の安定が見込まれることも好材料になります。
海外要因を見ると、米国がベネズエラに続いてグリーンランドにも触手を伸ばすなど地政学リスクが高まっていますが、見方を変えれば、米国は“安定した分断”をつくり出そうとしているように映ります。すでに世界は米国と中国の陣営に大きく二分され、米国を中心とする陣営は中国抜きのサプライチェーン(供給網)をつくろうとしている。そのなかで日本は米国陣営として、製造業、そして雇用が“国内回帰”に向かっている。国内での新たな設備投資も期待できて、日本経済にとってはポジティブな材料だと見ています」
“下値抵抗力”が安心材料に
国内外で株高の材料が見られるなかでも、投資家は「できるだけ安値で仕込みたい」と考えるのが当然だろう。そこで重視したい指標の一つが「PER(株価収益率)」だ。PERは株価を今期予想のEPS(1株当たり利益)で割って算出し、現在の株価が利益の何倍(何年分)なのかで割安さを判断する。
「株価指標として、PERは割安株をあぶり出す最初のフィルターといえ、これをまずチェックする投資家は非常に多い。PERが低いのは、成長期待が乏しいから放置されているとも言えますが、一方でそれ以上は下がりにくい“下値抵抗力”がある。株価が下がりにくいディフェンシブ銘柄として、安心して買いやすい銘柄とも言えるでしょう」
もちろん、単にPERが低いから割安だと飛びついても、その後も株価が上がらないような“割安さの罠(バリュートラップ)”にはまってしまう可能性もある。やはり今後の株価上昇が見込めるような成長性を併せ持つ「割安成長株」に目をつけることが重要になるだろう。
そこで、将来の成長性から見た「本当の割安株」を探るために、3年後の利益予想に基づくPERを金融情報サービス会社・アイフィスジャパンに算出してもらった。同社は主要証券会社16社のアナリストによる業績予想をもとに算出した「IFISコンセンサス」を機関投資家のほか、個人投資家向けに「IFIS株予報」をYahoo!ファイナンスなどで提供。今回は、現在の株価が「3期先コンセンサス予想」に対して何倍になっているかを算出。PERの低い順にランキング化し、トップ100をまとめた。3期先まで見通す重要性について、藤井氏が説く。
「アナリスト予想の数字はあくまで参考にとどめておくとしても、方向性を確認するうえでは大いに役立ちます。特に新NISAで長期投資したい人にとっては、なるべく安く仕込むことは重要です。個別銘柄にも投資できる新NISAの成長投資枠における人気銘柄を見ていると、目先で株価が上昇している銘柄が人気を集めているようです。長期投資という観点では将来的な成長が見込まれるのに現在の株価が割安な銘柄に注目すべきですが、残念ながらそうはなっていない。新NISAでこれから投資しようというような人たちは、ぜひこうしたランキングも参考にしていただきたいところです」
3年先を見据えた「本当に割安な株ランキングトップ100」、そのなかから藤井氏が注目する銘柄については、関連記事『《3年後を見据えた「本当に割安な株」ランキングトップ100を一挙公開》世界シェア60%のグローバルニッチ企業、大手電力よりも期待できる地銀株などカブ知恵代表・藤井英敏氏が株価上昇期待の11銘柄を抽出して詳細解説』で詳しく紹介する。
【プロフィール】
藤井英敏(ふじい・ひでとし):1965年生まれ。日興証券、フィスコを経て、カブ知恵代表に。個人投資家向けに各種レポートの作成・販売を行なう。
Xアカウント:https://x.com/kabutie_jp
