よどみなく語る笹川堯氏
日本船舶振興会(現・日本財団)会長や右翼団体総裁を務め、“政財界の黒幕”と呼ばれた笹川良一氏を父親に持つ、元自民党衆院議員の笹川堯氏(90)。卒寿を迎えた彼が自叙伝『昭和・平成 怪物秘録』(青志社)を上梓した。父親の影響もあり、若かりし頃から魑魅魍魎を相手にしてきた笹川氏が、戦後政界の光と闇を明かした。(文中一部敬称略)
「角さんと出会ってから、私の人生はガラリと変わった」
戦前、戦中、戦後──。3つの時代を当事者として幅広く、かつ深く語れる証人は、いまや私くらいかもしれないね。私は昭和10年(1935年)、政財界から裏社会にまで影響力を持ち“黒幕”と呼ばれた笹川良一の次男として生まれました。経済人、政治家として高度経済成長からバブル期、その後の失われた30年まで全ての時代に内側から関与し、各界の大物たちとも交流しました。
政財界に絶大な影響力を持った父・笹川良一氏(時事通信フォト)
今回、90年の生涯を凝縮した一冊として、自叙伝『昭和・平成 怪物秘録』を上梓したのは、自分が見聞きしてきた戦後政界の真実を明かしておこうと思ったからです。
政界の大物たちが身近な存在となったのは、高校1年生の頃から。まだ15歳だったけど、親父のお茶くみをしていてね。当時の自由党で最大派閥を率いた広川弘禅さんなど色んな人が出入りしていた。

