エンディングノートの作成はいつ始めても遅すぎることはない(イメージ)
死が間近に迫る「人生残りの1年」の過ごし方こそが、理想の最期と無念の最期の分かれ目を決める。自分はどんな最期を迎えたいのか。それを家族と共有するうえで、欠かせないのが「エンディングノート」だ。
財布に入れておくミニマム版も用意しておく
「遺言書のように法的な効力はありませんが、その分、自由に綴れるのがエンディングノートのメリット。しっかりと記入しておけば家族の負担を減らすことができます」
そう話すのは1級ファイナンシャルプランニング技能士の黒田尚子氏。ただし、書く内容によっては逆に家族を困らせることになりかねない。
「よくあるのが、ご家族へのメッセージばかりで、事後手続きに必要な客観的な情報が抜けているもの。自身の基本情報や財産、供養・相続に関する事実関係から優先的に書き出すことをおすすめします」(黒田氏)
そのうえで黒田氏が推奨するのは2種類のエンディングノートを用意すること。ひとつは「自宅保管用フル版」、もうひとつは「財布に入れておくミニマム版」だ。
「しっかりとエンディングノートを書いていたのに、外出先で急に倒れて家族に保管場所を伝えられず、活用されずに終わってしまった事例があります。不測の事態に備えて、財布に入れられるようなペラ一枚のミニマム版を用意して持ち歩いておけば、いざという時に役立つ可能性があります」
ミニマム版エンディングノートの書き方例
自宅保管用フル版エンディングノートには、必ず記すべき項目が6つあるという。
「まずは銀行口座・加入保険名などお金まわりの情報。とりわけ大事なのが銀行名と支店名です。有価証券があれば証券会社名も漏れなく記載しておきましょう。続いて契約サービスやスマホなど、デジタル資産に関する情報も必須です。個人情報保護の観点から、暗証番号などがわからないと家族でも容易に開くことはできません」(同前)
延命措置を望むかといった家族でも決断が難しい医療・介護の希望、そして緊急連絡先・死後の連絡先があれば「誰にどの用件で連絡すればいいのか」が伝わる。さらに葬儀の希望・互助会の有無も明記しておくことが大切だ。
「近年では火葬のみの直葬や通夜を省く一日葬など、選択肢が増えている。そうした希望や香典辞退といった意向を明確にすることで、家族が判断を下す際の負担を軽減できます。プラスαとしてお墓や埋葬に関する希望を伝えておくことも重要です」

