投資家は「暴落」時にどう向き合うべきか(国山ハセン氏写真提供 徳間書店)
暴落はいつ起きるかわからない。だからこそ重要なのは、暴落を避けることではなく、暴落時に慌てて売らない仕組みをつくることだ。生活防衛資金、安定運用、楽しむ投資――資産を「3階建て」で整理しておけば、攻めの投資にも余裕が生まれるという。著書『投資初心者の僕がプロたちから学んだ、正しいお金の増やし方』が話題の、元TBSアナウンサー・国山ハセン氏が、投資の専門家からのアドバイスを踏まえて解説する。【第2回】
資産を「3階建て」で考える
投資を始めたばかりのころ、僕がいちばん怖かったのは「暴落」でした。リーマン・ショックが起きた当時は投資をしていませんでしたが、世界が大混乱に陥り、多くの投資家が大きな損失を抱えたという光景はニュースで嫌というほど目にしました。
そんな記憶が強く残っていたことにくわえ、初心者だった僕はポートフォリオが“攻め”に偏っていました。ですから、「もし暴落が来たらどうする……?」という不安が常に頭の片隅にありました。
けれど、多くのお金のプロの方々から話を聞くうちに、暴落が来ても慌てないための「型」があることが見えてきたのです。
それが資産を「3階建て」で考えるという発想です。これは、自分の資産を「守る」「育てる」「楽しむ」という3つの異なる役割に明確に分けて管理する、という考え方です。
まず、もっとも重要なのがすべての土台となる1 階の「生活防衛資金」。ようは、日々の生活費や急な病気・ケガ、失業など、予期せぬ事態に備えるための現金(預貯金)です。このお金には基本的に手を付けません。
暴落時、「生活のために資産を売らざるを得ない状況」に追い込まれると、多くの人はパニックになってしまう。まず1階をしっかり固めておくことが、投資を長く、安定的に続けるうえでの絶対条件になります。
1階が整ったら、次に積み上げるのが2階の「安定運用」のゾーンです。
具体的には、S&P500型やオルカンなどのインデックスファンドへの積立がこれにあたります。僕はFANG+を利用していますが、これも同じく2階部分に位置づけられます。この層が、資産を中長期的に「育てる」ためのコアとなる部分です。
銀行預金だけに頼ると、インフレで資産価値が目減りしてしまいます。だからこそ、2階で適度なリスクを取りながら運用し、将来に備えるのです。短期の値動きに左右されず、長期目線でコツコツ育てることが重要です。
そして、3階部分。ここが僕にとっていちばんワクワクする「楽しむ投資」のゾーンです。僕の場合、TeslaやNVIDIA(エヌビディア)のような個別株がこれにあたります。この階は、運用の中心ではなく「余白」。「この企業の技術がおもしろい」「この会社の未来に賭けてみたい」という純粋な興味から選ぶ場所です。
ここは“攻め”ではあるものの、2 階がしっかりしているからこそ、安心して楽しめる。そんな感覚がいちばん健康的だと僕は思っています。
