好調なAI関連2銘柄の現在地を読み解く(村田製作所/時事通信フォト)
今年前半の日経平均株価の急騰局面で注目されたのが半導体メモリー大手・キオクシアホールディングスだった。株価は2024年12月の上場時から一時、70倍超に達した。その後、7月に入って調整局面も見せているが、AI・半導体関連銘柄が今後も市場の注目を集めるのは、間違いないだろう。そうしたなかで興味深いのが、キオクシア株が注目された今年5月に、同社株を凌ぐ上昇を見せたAI関連の2銘柄だ。
それが電子部品大手の村田製作所と太陽誘電だ。3社の株価の値動きを比較すると、今年4月はキオクシアの72%上昇に対して村田製作所が40%上昇、太陽誘電が58%上昇だったが、5月に入るとキオクシアの80%上昇に対して、村田製作所が87%上昇、太陽誘電は141%上昇という伸びを見せた。村田製作所は4月30日に、太陽誘電は5月7日に決算を発表しているが、両社の現在地と今後の展望は、どのようなものなのか。
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5月の上昇は何に反応したのか
キオクシアの急騰は、AI向け半導体メモリーへの期待として受け止めやすい。一方、村田製作所と太陽誘電は半導体そのものを売る会社ではない。主力は、電気を一時的に蓄えたり電圧を安定させたりするコンデンサなどの電子部品である。
それでも株価が大きく動いたのは、AIサーバーやデータセンター投資の広がりが、半導体の周辺にある部品需要にも及ぶと、市場が判断したからではないだろうか。AIサーバーが増えれば、電源を制御し、電圧を安定させ、機器全体を支える部品も増える。今回の2社の決算から、その波及を読み解き、今後の株価動向を占うポイントを探ってみたい。
村田製作所はなぜデータセンターで評価されたのか
村田製作所の2026年3月期実績は、売上収益1兆8309億円、営業利益2818億円だった。売上収益は過去最高を更新した。スマートフォン向けの一部部品は減少したものの、サーバー向けを中心に幅広い用途でコンデンサが増えたことが増収につながった。
今期予想は、売上収益1兆9600億円、営業利益3800億円を見込む。営業利益率は昨期の約15.4%から、約19.4%へ改善する計算だ。コンデンサを中心としたデータセンター関連需要の増加を背景に、2年連続で過去最高売上を更新する見通しとしている。
売上の伸びが期待できるのは、コンデンサだけではない。同社は今期の重点取り組みとして、データセンターの成長を取り込むためにコンデンサと電源モジュールを挙げている。電源モジュールは、機器に必要な電力を変換・制御する部品群である。データセンター関連向けでは新規プロジェクトの受注を獲得し、売上見込は250億円とされている。
足元の受注にも強さがある。昨期第4四半期のBB(Book-to-Bill)レシオは1.24だった。BBレシオは受注額を売上高で割る指標で、1を上回ると売上に対して受注が多い状態を示す。同社は、データセンター関連需要が顕著に高まっていると説明している。
太陽誘電の急伸は何を映したのか
太陽誘電の2026年3月期実績は、売上高3553億円、営業利益200億円だった。売上高は前期比4%増、営業利益は同91%増である。AIサーバーや自動車向けコンデンサの売上増加を主要因として増収となり、販売数量増加による操業度効果が増益要因になった。
操業度効果とは、生産量や工場の稼働率が上がることで固定費負担が薄まり、利益を押し上げる効果である。太陽誘電の前期の営業利益率は5.6%だったが、今期予想では売上高3840億円、営業利益300億円、営業利益率7.8%を見込む。
同社の特徴は、売上高に占めるコンデンサ売上の構成比が約70.9%(前期実績)と高く、全社売上の大きな柱になっていることにある。AIサーバーやスイッチ、ルーターなどのネットワーク機器を含む情報インフラ・産業機器、および自動車でコンデンサ売上を伸ばしたと説明している。
受注面でも、コンデンサの第4四半期BBレシオは1.31だった。AIサーバーでは、積層セラミックコンデンサの大容量化と使用数の増加が需要を押し上げると同社は見ている。広い意味では同じAI関連の追い風が吹く村田製作所と太陽誘電だが、業績に表れる経路はどこまで同じで、どこから違うのか。
※本記事の作成に一部に生成AIの技術を活用しています。
