日米の協調介入を受けて8月3日には米ドル/円は155円台まで下落。その後は反発上昇に転じたが、今後の為替相場はどう動くのか(時事通信フォト)
円安進行に歯止めをかけるために7月末に実施された日米両政府による約28年ぶりの円買いの協調介入により、米ドル/円相場は円高ドル安に大きく動き、8月3日には1米ドル=155円台まで下落した。だが、その後は反発上昇に転じている。今回の日米協調介入を受けて為替相場はどう動くのか。トレンドに変化はあるのか。今後の見通しを元外国為替ディーラーで現在、外国為替や投資全般のコンサルティング業務を担う松田哲氏に聞いた。
松田氏は三菱信託銀行(現・三菱UFJ信託銀行)で1985年2月から外国為替に従事し始め、同銀行、フランス・パリバ銀行、クレディ・スイス銀行、オーストラリア・コモンウェルス銀行などでトップ・ディーラーとして活躍してきた経歴を持つ。
7月下旬に一時1米ドル=164円近辺と約40年ぶりの円安水準に入っていた米ドル/円相場だが、日米両政府の円買いの協調介入により7月31日(米国東部時間)の外国為替市場では157円台をつけて円高ドル安に一気に進んだ。8月3日に155円台前半をつけた後、米ドル/円は反発し、8月前半は157円台~159円台で推移している。
再介入なければ当面は下値155円台、上値164円台か
松田氏は今後の米ドル/円相場の値動きについて、こう分析する。
「今後、日米の円買い協調介入が実施されなければ、当面の下値は直近の安値155円台と考えており、もし協調介入が今後なく、米ドル/円が反発して上昇していく場合、当面の天井は今回の協調介入のポイント付近の164円台と見ています」(以下、「」内コメントは松田氏)
再び日米の協調介入があった場合はどうか。
「片山さつき財務相は8月3日に『米国財務省との緊密なコミュニケーションを維持している。我々は、今後、更なる協調介入を実施することも躊躇しない』と話し、同日、ベッセント米財務長官もXで『We will not hesitate to participate in further joint intervention(我々は今後の協調介入にも躊躇なく参加する)』と投稿しています。たとえば159円台の水準から再び日米が円買い協調介入をした場合、米ドル/円は152円まで下落する可能性があるでしょう。さらに円高が進み152円のラインを下に抜けると、150円付近まで円高が進行することも予想されます」
「介入を待つ」のではなく、「介入後」に動く
ただし、今後の相場で個人投資家は「協調介入を予想してポジションを取ること」を避けるべきだと松田氏は注意を促す。
「今回に限らず、介入するかしないかについては財務大臣や財務長官などごく一部の当局関係者以外の人には事前にわかりません。協調介入が今後あるという前提でFX(外国為替証拠金取引)で勝負するのも、再び実施されるかわからない協調介入を期待して待つことも“馬鹿げている”と思います。それよりも、実際に協調介入があった後に素早く状況を分析し、相場がある程度落ち着いたところで対応することが現実的です」
では、今後、円高へのトレンド転換はあるのか。
