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「不登校」ではなく「ユニパス」? 多様な生き方を肯定する呼称の導入がかえって保護者たちの不安を増幅させる皮肉

「ユニパス」の呼称に対して様々な意見が(イメージ)

「ユニパス」の呼称に対して様々な意見が(イメージ)

 かつての「不登校」の呼び方が変わることで、どのような影響があるのか──。文部科学省が公表した令和6年度調査によると、国公私立の小・中学校における不登校児童生徒数は35万3970人で、過去最多を更新した。高校の不登校生徒数も、6万7782人にのぼる。

 そうしたなか、群馬県では今年、「不登校」に代わる呼称として「UniPath(ユニパス)」という言葉を採用する方針を示し、教育関係者たちのあいだで注目を集めている。「Unique(ユニーク)」と「Path(パス=道)」を組み合わせた造語で、一人ひとりの道を肯定的に捉える意味が込められているという。

「学校に行けない子どもを責めない」「決まったルートから外れた人生を失敗と見なさない」──そうした考え方が、子どもにとって救いになる面もあるだろう。しかし、一方で家庭では「言葉が変わっても現実は変わらない」と指摘する声も出ている。

言葉は変わっても受験制度そのものは変わっていない

 関東地方に住む会社員女性・Aさん(40代)は、中学2年生の息子が昨年から学校に行き渋るようになった。現在は月の半分以上を自宅で過ごしている。

「ひきこもりや不登校という言葉を使わないほうがいい、学校以外の学びもある、という考えは理解できます。息子を追い詰めたくないので、『どうして行けないの?』とは言わないようにしています。でも親としては、出席日数や内申点、高校受験のことがどうしても気になります。

 ユニパスという言葉が登場して、配慮の風潮が出てきたとしても、欠席がなかったことになるわけではない。言葉は優しくなっても受験制度そのものは変わっていないんです」(Aさん)

 Aさんの息子は友人とオンラインゲームでつながっており、勉強もまったくしていないわけではない。ただ、朝になると体が動かず、制服を着られない日も多いという。

「学校の先生も『焦らなくていいですよ』と見守ってくれます。でも、『焦らなくていい』と言われるほど、親の自分が焦ってしまうんですよね。本人の前では平気なふりをしていますが、夜になると“このまま進学できなかったらどうしよう”と、SNSで検索ばかりしてしまいます」(同前)

次のページ:「不安を抱える親の気持ちが無視されているのでは」
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