IMFが指摘した中国の不動産施策の問題点とは(習近平・国家主席。Getty Images)
中国の不動産不況を回復させることはできるのか──。不動産大手企業は深刻な経営危機に直面しており、中国政府も市場を活性化させる施策を打ち出しているように見えるが、根本的な解決への道筋は見えないままだ。中国の不動産市況回復に向けた施策の問題点については、国際機関からも問題視されている。いったいどういうことか。イトモス研究所・小倉健一氏が解説する。
売約済みなのに完成していない住宅が多く残っている
家を買うために払ったカネを返してほしい──AFP通信は、中国の不動産大手・恒大集団で住宅を買った女性の訴えを伝えた。頭金は、親から贈られたお金だった。契約後も手続きが進まず、不安で食事も睡眠もままならないという。自分の家を持つための支払いが、暮らしを追い詰めていた。
2023年にも、ロイターが中国内陸部の銅川市で、住宅購入者らの抗議をレポートしている。買ってから8年たっても家が完成せず、水道も電気もない建物で暮らす男性がいた。現場に集まった人々は契約書を掲げ、住宅の引き渡しを求めた。値上がり益を逃したという話ではない。払った代金に見合う住まいを受け取れないのである。
購入者の立場に立てば、怒りは当然だ。支払うべきお金は払った。開発会社のお金が足りないと言われても、買い手には工事を動かせない。家を渡せないならカネを返してほしいという要求は、住宅売買の約束を守れという要求である。
その後も、問題の解決は遅れている。国際通貨基金(IMF)は今年公表した対中報告書で、売約済みなのに完成していない住宅が多く残っていると指摘した。再建できない開発会社を整理し、住宅の引き渡しか補償によって購入者を守るよう求めている。家を買った人をいつまで待たせるのか。中国政府は、その基本的な問いを突きつけられた。
