金融事業に参入するJR九州(写真は西九州新幹線の「かもめ」)
鉄道会社が、いま相次いで金融サービスに乗り出している。JR九州はSBIホールディングスと組み、銀行や証券、保険、暗号資産までをひとつのアプリで提供する計画だ。利用者にはどのようなメリットがあるのか。『知識ゼロでも週3000円の投資で100万円が勝手に貯まる本』などの著書がある個人投資家で株式投資講師・藤川里絵さんが解説するシリーズ「さあ、投資を始めよう!」。第208回は、「JR九州の金融事業参入」について。
鉄道会社の金融事業への参入が相次ぐ
JR九州が、SBIホールディングスと組んで金融事業に参入します。銀行や証券、保険、さらには暗号資産まで、複数の金融サービスをひとつのアプリでまとめて提供する計画で、2027年度中の開始を目指すとのこと。鉄道会社が銀行だけでなく幅広い金融サービスを手がけるのは、初めての事例です。私たちの暮らしとお金にどう関わってくるのか、考えてみましょう。
いま、鉄道会社の金融参入が相次いでいます。2024年にJR東日本が楽天銀行と組んでJRE BANKを開始したのを皮切りに、JR西日本はりそなと、近鉄は三菱UFJ銀行と提携し、それぞれ金融サービスを立ち上げています。背景にあるのは、鉄道各社が抱える膨大な顧客基盤です。JR九州の場合、アプリやポイント会員で500万人規模。日常的に駅やポイントで接点がある人たちに金融サービスを届け、独自の経済圏を広げようという狙いです。実際、JR九州は売上の約6割が非鉄道部門なので、金融はその延長線上にあるわけです。
利用者にとってのメリットは、ポイントとお金がひとつにつながることです。交通系ICカードのSUGOCAやポイントのJRキューポと連携し、預金残高に応じてポイントがついたり、アプリから住宅ローンを申し込むと金利が優遇されたりする仕組みが検討されています。さらに、鉄道利用で貯まったポイントで株式や投資信託を買えるサービスも計画されています。ふだんの生活の延長で、自然に投資を始められるのは大きな魅力です。
