払うつもりがない業者が高額査定を出して交渉権を得るケースも(写真:イメージマート)
愛車を手放したのに代金が払われない――。Aさんは愛車のランドクルーザーを中古車買取の一括査定サイトに登録し、買取額1030万円を提示してきた業者に車を渡したものの、代金未払いのまま業者が雲隠れする事態に。こうした悪徳業者による被害が急拡大している。それらのトラブルで共通しているのは、業者が「車買取の一括査定サイト」を悪用していたこと。その手口ついて、ビッグモーター問題をはじめ、中古車業界で相次ぐトラブルを追及してきた自動車生活ジャーナリストの加藤久美子氏がレポートする。【全3回の第2回】
高額査定を出してユーザーとの交渉権を得る
中古車を買い取る約束で引き渡しを済ませた後に、代金未払いのまま倒産したり雲隠れする業者が共通して使っていたのが、車買取の一括査定サイトだ。
かつては愛車の売却は新車ディーラーに「下取り」してもらうのが一般的だったが、1994年にガリバーが買取専業としてスタートし、「ユーザー買取」が普及していった。
さらに2010年以降はスマートフォンの普及で「オンライン一括査定サービス」を行なう媒体事業者が急増。2025年のネット一括査定利用者は200万人を超え、その半数以上が実際に売却している。
冒頭のAさんは、「MOTA」経由で査定を申し込んだという。
「ネットの一括査定を申し込むと、直後から買取業者からの営業電話が殺到するが、MOTAは査定額上位3社だけが客との直接交渉権を持つので、煩わしさがなくて使いやすかった」(Aさん)
しかし、ユーザーが登録した時の査定額さえ高く出せば上位になれるため、払うつもりがない業者が高額査定を出して交渉権を得るケースがある。
