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【山積みグッズが売れ残りの“アカン”状態に】阪神CS敗退で甲子園周辺の飲食店がキャンセルの嵐 地域経済に負の影響…駐車場でも「ダイナミックプライシング」が裏目に

CS敗退となった阪神の藤川球児監督(写真・時事通信フォト)

CS敗退となった阪神の藤川球児監督(写真・時事通信フォト)

 日本シリーズが開幕し、ソフトバンクが敵地・横浜スタジアムでDeNAを第1戦に続いて第2戦も延長戦で下し、場所をみずほペイペイドーム福岡に移して第3戦が行なわれる。「下剋上シリーズ」を想起させる展開ではある一方、そうした想定外のシナリオが、地域経済に及ぼす影響も大きいようだ。日本シリーズの展開について、スポーツ紙記者はこう言う。

「2年前とまったく同じ。DeNAはCSで3位から勝ち上がっている。日本シリーズではソフトバンクに2連敗というところまで符合しており、2年前はここから4連勝で下剋上の日本一を成し遂げた。横浜市内では盛大な祝賀セールが行なわれ、11月末には優勝パレードも開催され、横浜の街は歓喜に沸きました」

 当時、帝国データバンク横浜支店が試算した横浜市内における経済効果は124億6100万円だった。チケット代、飲食費、物販、交通費、宿泊費など横浜スタジアム来場者の支出額が16億900万円、優勝記念セールによる支出額が71億2200万円、優勝記念品の物販などの支出額が5億1500万円、来場者30万人と想定して優勝パレードによる支出額が32億1500万円という内訳だった。

 そうした下剋上による経済効果がある一方で、失われたものもある。捕らぬ狸の皮算用ではないが、阪神にはCSでアドバンテージとして1勝が与えられていたにもかかわらず、DeNAに4連敗して日本シリーズ進出を逃した影響は大きかったようである。どういうことか。

阪神が日本シリーズ進出を逃したことにより…

「38年ぶりの日本一に輝いた2023年は、日本シリーズ終了後に販売された日本一記念グッズの売り上げが凄まじかった。阪神百貨店本店で販売が始まると開店前から2800人が行列を作り、10日以上経過しても開店から閉店まで100人以上が並んだ。

 甲子園球場前の公式ショップの『アルプス』と『DUGOUT』では、限定商品目当てに長蛇の列ができ、平日でも店内は満員電車状態だった。結果的に日本一記念グッズが店頭に並ぶまでの2週間でリーグ優勝の記念グッズも売れ続けた。

 2025年は日本シリーズに進出したものの、1勝4敗と日本一を逃した段階でリーグ優勝の記念グッズの売れ行きが下火となった。多く在庫を残してしまった」(グッズ製造業者)

 そして、CSでDeNAに敗れた今年は昨年以上に苦戦を強いられているというのだ。CSで敗退して日本シリーズ進出を逃した2日後、公式ショップ「アルプス」を覗いてみたが、平日とはいえ店内は閑散としていた。

 店頭に優勝記念グッズに商品を一覧にしたパネルが置かれているが、「アルプス」限定商品はほぼ売り切れに。また、甲子園球場周辺のショップ限定商品は3割、全店舗共通商品は1割だけが売り切れだった。

 店内は一方通行で、商品のところには「同一商品は1人5点まで」と書かれているが、いきなり「ビールかけフェイスタオル」(2420円=税込、以下同)と「ビールかけバスタオル」(5500円)が山積みされている。「選手名フェイスタオル」(1800円)、「プレイバックフェイスタオル」(3000円)、「胴上げバスタオル」(5000円)、「寄せ書き選手サインフェイスタオル」(2500円)なども同様の状態。

「ロゴカラーTシャツ」(4950円)、「ビールかけTシャツ」(6000円)などのTシャツ類、「ビールかけキャップ」(5500円)、「優勝記念キャップ」(6600円)などの記念キャップ類も多くの在庫を抱えた状態。優勝グッズの定番の選手別の「優勝舛」(3000円)もあまり売れていない。メジャー挑戦を球団が認めたサトテル(佐藤輝明)のグッズが売れているわけでもない。

 店舗担当者は「CS突破を想定して仕入れていたんですが…」としていたが、甲子園球場で最大6試合予定されていたCSが4試合で終わったうえ、CSに敗退したことで日本シリーズが行なわれないことも大きい。その影響は甲子園球場周辺のビジネスにも及んでいる。

CS敗退が決まった途端に…

 球場近くの飲食店店主が言う。

「影響大ですわ。阪神戦開催時は試合前と試合後の予約客で席はすべて埋まります。テイクアウトもしており、弁当の予約注文も殺到します。今回も日本シリーズは第1戦と第2戦、第6戦と第7戦が甲子園球場での開催予定でいずれも土日だった。

 マジックが1ケタになった時点で席は予約ですべて埋まりましたが、CSに4連敗した直後にキャンセルの電話が入り予約客はゼロの状態です。アルバイトを増員して準備していたんやけどね。こればかりは仕方がない」

 そう話して肩を落としていた。球場周辺の駐車場も影響を受けている。阪神戦開催時は駐車料金が高くなるのが一般的だ。阪神甲子園駅前のショッピングセンターの駐車場は“通常日”と“特定日”に分けられており、通常日は最大500円の通車料金が阪神戦開催日は30分500円で最大料金が5000円となる。そのためショッピングセンターへの来場者が減るのだ。

 CSで敗退しているにもかかわらず、駐車場入口には“特定日”と張り出されている。入り口で来場者に説明している関係者によると「ここは大手コインパーキングの管理駐車場で、事前にCSと日本シリーズで阪神戦が予定されている日は“特定日”に設定されおり、雨天中止など試合開催の予定が変わっても変更できないシステムなんです。周辺にも同様のコインパーキングが多数ありますが、すべて同様の設定になっています。従って、日本シリーズの第7戦が予定されている11月1日まで“特定日”になっています」とのことだ。

 需給のバランスを見ながら値付けするという、いわゆる“ダイナミックプライシング”だが、試合結果に左右される部分が難しいのである。球場周辺に13か所あるコインパーキングを見ても同様に“特定日”となっている。コインパーキングのオーナーのひとりは〈甲子園球場におけるイベント開催予定日は特例的に特定日としております。そのためイベントが開催されない日でも特定日料金が適用される場合があります。あらかじめご了承ください〉と書かれた紙を指さしながら、「タイガースに頑張ってほしかったんやけどな。こんな状態が日本シリーズ終了まで続くんですわ」と1台も止まっていない駐車場に渋い顔をしていた。

 日本シリーズ進出を逃した阪神。人気球団ゆえ各方面に影響を及ぼしている。

【写真】売れ残る阪神グッズ、高い価格設定のままの甲子園周辺駐車場も
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