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「不測の事態に備えるためではない」富裕層が生命保険に加入する本当の理由

 たとえば、妻と子2人の計3人が相続人というケースを考えてみましょう。

 非課税枠は、500万円×3人=1500万円となり、合計1500万円以内の保険金であれば、相続税は一切かかりません。ちなみに私が相続税調査をしていた頃は、法定相続人1人あたり1000万円の非課税枠が認められていたので、今より生命保険の節税効果が高かったです。

 亡くなった被相続人が現金のままで財産を残したら、全額が相続税の対象となります。ところが保険料を払えば相続税の対象となる現金を減らせるうえ、受けとれる保険金に非課税枠が使えるので、簡単に相続税を節税できるのです。

フリーランスになって気づいた、保険の重要性

 私自身は富裕層ではないので、保険はあくまでも生活の保障のために入っています。国税職員時代は必要最低限の生命保険にしか入っていませんでした。保険の重要性に気がついたのは、実はフリーランスになってからのことです。

 ライターとして独立して半年後、妻が突然入院することになったのです。結果として入院期間は2か月になりましたが、当初は入院期間がわからずに不安が募りました。入院費用がどれくらいに膨らむかわからなかったからです。

 現在、息子は3人いますが、妻の入院中、当時小学生だった2人の息子の世話をすることになりました。そのため、定期的に受けていた取材の仕事もキャンセルせざるを得なくなり、仕事がほぼストップしてしまったのです。

 フリーランスですから、公務員や会社員と違って有給休暇や育児休暇の制度などありません。仕事をしなければ一気に無収入になります。当面は公務員時代の退職金などの蓄えで生活できるとして、先の見えない状況に不安が募るばかりでした。

 そんなとき、加入していた医療保険のことを思い出したのです。その保険は、独立直前に念のために加入していたものでした。そのおかげで私は、妻の入院中の収入ダウンをほぼ保険で補うことができました。

 会社員や公務員の場合、有給休暇を使えば、仕事を休んでもある程度は生活が守られます。しかし、安心して生活を送るためにも、無駄な保険を見直すことはあっても、完全に無視するのは得策ではありません。保険料をケチったばかりに、人生が大きく狂うような事態は避けるべきでしょう。

生命保険が遺言代わりになる

 富裕層にとって大きな悩みが、遺産をどうやって分配するかという問題です。遺産分割はどうしても感情が絡む話なので、争いになるおそれがあります。本来は、そうならないように遺言書を作成するのがいちばんなのですが、そうはいっても実際のところ、気軽に作成できるものではありません。

 そこで、相続に対する備えを意識する富裕層は、「遺言」の代わりに生命保険を活用しているのです。

 たとえば、家族のなかの特定の誰かに財産を残したいとしましょう。そのとき、生命保険を活用すれば、受取人を指定するだけで、自分が望む家族に確実にお金を渡すことができます。

 また、生命保険は遺産分割のトラブルにつきものの「遺留分の問題」を防ぐうえでも役立ちます。遺留分とは、法定相続人に認められた相続財産の最低限のとり分のことで、法定相続人の構成によって決まります。

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