家計

「ひと月3000円」でできる幸福度が上がるお金の使い方 友人への「本のプレゼント」も効果的

幸福度を上げるためには「モノ消費」よりも「コト消費」が効果的だという(イメージ)

幸福度を上げるためには「モノ消費」よりも「コト消費」が効果的だという(イメージ)

 多額のお金があれば何においても自由や便利度は高まるが、たくさんお金を持っていることが必ずしも幸せに直結するわけではない。ちょっとした飲み会やランチ、手頃な物が買えておつりがくるくらいの「ひと月に3000円」程度の予算でも、使い方次第で人生は豊かになるというのだ。

 元明治大学教授で行動経済学者の友野典男さんによれば、より幸福度が上がるお金の使い道は品物を買う「モノ消費」よりも、体験にお金を払う「コト消費」だという。

「サウナや日帰り温泉といったレジャーのほか、ヨガなどの習い事や映画館に行くことなどが当てはまります。家族や友達とお茶をするのもいいでしょう」(友野さん)

 実際、毎月3000円ほどの「コト消費」を楽しんでいる人は多い。

「パートの時給がアップしたのをきっかけに、月に一度、スーパー銭湯のレディースプランを楽しんでいます。ランチもついていて、心も体も大満足。自分へのご褒美だと思って、日頃のストレスを解消しています」(42才・パート主婦)

「他人のためにお金を使う」幸せ

 プレゼントや寄付など「他人のためにお金を使う」ことも、幸福度を上げる。南アフリカで行われた社会実験では「自分自身のためにお菓子を購入するグループ」と「同じお菓子を、地元の病院にいる子供たちのために購入するグループ」では、後者の方がはるかに幸福度が高かった。実験に参加した人の2割は、直近1年間で、自分や家族の食べ物を買うお金に困ったことがあったにもかかわらずだ。

 その理由は明確にはなっていない。しかしそれ以外にもさまざまな実験や調査で、人は自分より他人にお金を使うことで幸せを感じられることが証明されている。

「人間は社会的な生き物です。共同生活を円滑に営むため、仲間を喜ばせると自分にもいいことが返ってくるという意識が、生来備わっているとも考えられます。

 私がおすすめするのは、食事をごちそうしたり、本をプレゼントすること。人のためにお金を使っているだけでなく、コト消費にもなる。できれば、ベストセラー小説よりも、自分自身が好きな本がいいと思います。その内容について語り合うことができ、相手との関係を深めることにも役立つでしょう」(友野さん)

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