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相続手続きの負担を1枚の証明書で簡略化 知っておきたい「法定相続情報一覧図」の作り方

【STEP3】申出書を記入し、法務局へ申出

 下記にある定形の申出書(「法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出書」。法務局で配布。ホームページからダウンロードも可能)に必要事項を記入し、必要書類と法定相続情報一覧図と合わせて法務局へ申出する。5年間保管され、無料で何度も交付してもらえる。

申出書を記入し、法務局へ申出

申出書を記入し、法務局へ申出

 書き方は、以下の【1】~【10】を参考にしてほしい。

【1】太枠内の事項を記入する。

【2】申出をする年月日を記入。郵送による申出の場合、法務局に申出書等が届いた日を申出年月日として取り扱われる。この日から5年間、相続事項が保管される。

【3】被相続人(亡くなった人)の氏名、最後の住所、生年月日、死亡年月日を記入する。

【4】申出人の住所、氏名、連絡先、被相続人との続柄を記入。氏名の横に押印(認印でよい)をする。

【5】代理人が申出をする場合、代理人の住所、氏名、連絡先を記入。申出人との関係が法定代理人・委任による代理人のどちらであるかをチェックする。

【6】法定相続情報一覧図の写しの利用目的をチェックするか記入する。「その他」の欄に記入する場合は、単に「相続手続き」とせず、「株式の相続手続き」等、具体的な手続き内容を記入する。

【7】法定相続情報一覧図の写しの必要通数を記入する。さらに、写しの受け取り、申請に使用した戸除籍謄本の返却方法について選ぶ(窓口受取か郵送か)。郵送の場合は簡易書留なので、返信用の封筒を郵便局に持って行き、切手を貼り封筒を作成する。レターパックが可能な場合もある。窓口で受け取る場合は、受取人の確認のため【4】の「申出人の表示」欄に押印した印鑑を持参する。

【8】被相続人名義の不動産の有無をチェックする。「有」の場合は、不動産所在事項または不動産番号を記入する。不動産が複数ある場合は、そのうちの1つを記入すればいい。ただし、 の「申出先登記所の種別」欄で申出先の法務局を「被相続人名義の不動産の所在地」とした場合は、記入した被相続人名義の不動産が申出先法務局の管轄内のものでなければならない。

【9】申出をする法務局は以下の地を管轄する法務局のいずれかを選択する。
1.被相続人の本籍地(死亡時の本籍)
2.被相続人の最後の住所地
3.申出人の住所地
4.被相続人名義の不動産の所在地

【10】申出先法務局の支局・出張所を具体的に記入する。なお、全国に400か所近くある法務局は、法務局ホームページの「管轄のご案内」から調べられる。

【プロフィール】
長谷川絹子さん/司法書士。シルク司法書士事務所代表。明治大学卒業後、一般企業勤務を経て司法書士に。相続や不動産業務に詳しい。整理収納アドバイザー1級資格も持つ2児の母。

取材・文/前川亜紀

※女性セブン2023年5月11・18日号

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